小学校受験の面接で、「いじめ」に関する質問をされることがあると聞いたんだけど、それって学校でいじめがあるってことなの?
そもそもまだ入学してもいないのに、いじめについて質問されても困るわ・・・
小学校受験では、学校で起こりうるトラブルを想定して質疑応答をすることがあります。
「いじめ」は、どの学校でも起こりえるし、どの子でも加害者・被害者になる可能性があるというのが学校での一般的な考え方ですので、現実に起こった時を想定して回答する必要があるでしょう。
では、「いじめ」の質問にはどのように回答するのが良いのか、回答例を示しながら小学校受験面接指導で高い合格実績を叩き出す塾長が解説します!
小学校受験の面接で、「いじめについて」を質問される理由
先述した通り、「いじめ」はいつでも、どこでも、誰にでも起こり得る事案です。
しかし、「いじめ」というのはかなりセンシティブな問題であり、対応を間違えると重大事案に発展する可能性があるため、冷静に対処しなければなりません。
このような問題に直面した時に、保護者としての資質が問われることになります。
そこで面接では、保護者としての資質を知るために、「いじめ」をはじめ、様々なトラブルを想定した質問をするわけです。
総じて、良識のある保護者かどうかを見るため質問ですが、具体的には以下のような内容が考えられます。
なお、多くの場合「お子様がいじめられた」という場面を想定して質問されますので、そのことを念頭に置いてお読みください。
モンスターペアレンツをふるい落とすため
- 「いじめは許さないという態度で問題が解決するまで徹底的に追及します。」
- 「加害者児童には心の問題があるのかもしれないので、相手のお子さんの話をよく聞いて根本的に問題が解決できるように努めます。」
- 「相手のお子さんにはきちんと謝ってもらって、いじめが繰り返されないようにクラス替えなどの対応をしていただきたいと思います。」
このような言葉を聞いたら、面接官の先生はどのように感じるでしょうか。
確かに間違ったことは言っていないかもしれませんが、上記のような対応はお母さんの役割ではなく、学校の先生の役割です。
子どもにトラブルが起こった時に、他人の責任を追求しようとしたり、親が中心で物事を解決しようとしたりするような発言をすれば、モンスターペアレンツの可能性があると判断され、面接でふるい落とされると思ってください。
小学校で起こり得るトラブルを想定できているかを見極めるため
集団生活をしていれば、トラブルが起こるのは当たり前です。
しかし、保護者の中には漠然と「この学校に入ったら楽しい学校生活を送れる」と考えている方がいます。
あるいは、「公立は荒れているから私立に通わせたい」など、私立なら安心だと考えている方もいますが、私立だから大丈夫だという保証はありません。
そのような保護者は、入学後にトラブルに直面すると「こんな学校だと思わなかった」と考え、学校に対して批判的な反応をしたり、転校を考えたりするようです。
そのため、トラブルが起こることは当然だという考えがあり、その上で適切な対応まで想定できている保護者かどうかを見極めるために、「いじめ」の質問をしていると考えられます。
子どもの成長を支えていける資質があるかを知るため
過保護な親は、子どもの前に出て子どもを守ろうとします。
一方で、子どもの成長を支えられる親は、子どもの後ろから見守り、どうしても困った時に手を差し伸べるでしょう。
学校でトラブルが起こった時に、どちらのタイプの親が望ましいのでしょうか。
「子どもの成長」という観点から考えれば、後者のタイプの方が望ましいと学校の先生は考えています。
そのため、「いじめ」の質問を通して、前面に出て来るタイプの親か、子ども主体で成長を支えようとするタイプの親かを知ろうとしているわけです。
学校への信頼度を測るため
「先生、うちの子が◯◯と言っています。」、「先生うちの子は、△△な子なので、◯◯してほしいです。」などと要望する保護者は、「子どものことは、親が一番分かっている」と考え、学校に対する信頼度が低い傾向があります。
しかし、社会性の発達に伴い、子どもは相手や場に応じて様々な顔を見せるのが普通であり、学校の先生たちは親の知らないお子さんの顔を知っていると考えるべきでしょう。
また、いじめなどの学校トラブルの解決策ついて熟知しているのは、教育のプロである先生です。
そんな先生を信頼して問題の解決を任せられる保護者かどうかを見るために、「いじめ」の質問をしているのだろうと考えられます。
小学校受験の面接で「いじめについて」の質問例
「いじめ」に関する質問では、保護者のいじめに対する考え方や具体的な問題解決策を聞かれる質問が多くなっています。
以下のような質問をされた場合、ご自身ならどのような回答をするかを考えてみてください。
- 「いじめ」についてどのようにお考えですか。
- いじめが起きた時、お子さんのために親として何をしてあげられると考えますか。親としてできることを具体的に教えてください。
- いじめが起きないために、家庭ではどのようなことができると思いますか。また、もしいじめが起きたら、どのように対処しますか。
- もしお子様が学校でいじめに遭ったら、どのように対応するのが良いと考えますか。
- 現在は、小学生でもスマホの通話アプリなどでいじめが起こることがある時代ですが、家庭ではいじめなどのトラブルにならないためにどのようなことが必要だと考えていますか。
- お子さんが、「いじめられてる」と相談してきたら、どのようにされますか。具体的な解決策を3つ考えてください。
- お子さんが大きなあざをつくって帰ってきました。お子さんは「大丈夫」と言って事情を話してくれないのですが、何回か同じようなことが続いている状況です。このような時、どのように対応するのが良いと思いますか。
- 朝、家を出る直前になってお子さんが「学校に行きたくない」と言い出しました。話を聞くと、お子さんが「お友達にいじめられている」と言っています。このような時、どのように対応されますか。
小学校受験の面接で「いじめについて」の回答ポイント
回答のポイントは、謙虚な姿勢で学校と協力しながら問題解決に向けて努力するという意思を示すことです。
具体的なポイントや回答例については、以下をご覧ください。
批判的な意見を述べない
面接の場では、基本的に批判的な意見を述べないようにしましょう。
特に、学校や他の保護者を批判するような発言をしたら、モンスターペアレンツの烙印を押されかねません。
あくまでも、「保護者が子どものためにできること」という観点で意見を述べましょう。
子どもに寄り添う優しさと冷静に物事を判断できる器量を示す
トラブルにあった時でも、あたたかく子どもの成長を見守り、冷静に対処することができるという器の大きさを示しましょう。
どんな時も優しさを持ち、感情的にならずに行動できることを示すことができれば、学校の先生にも「安心できる親だ」と感じてもらえますよ。
回答例
「まずは、子どもの心のケアができるように、子どもの気持ちに寄り添いながらよく話を聞きたいと思います。その際、子どもの話を鵜呑みにせず、常に客観的に状況を把握できるように努めたいと考えております。」
学校や先生への信頼を表す
学校や先生と協力しながら問題を解決していく姿勢を示すことが大切です。
「親としてどうしますか」と質問された場合でも、独りよがりにならないで、相手や先生に配慮できる親であることをアピールしましょう。
回答例
「学校での交友関係や息子の態度など、親には分からないこともたくさんあるかと存じます。学校での状況は先生が一番よくご存知だと思いますので、先生から状況をお聞きし、対応をご相談させていただきたいと存じます。」
家庭でも問題解決に向けて協力していくことを伝える
前項の「学校や先生への信頼を表す」と言いましたが、「学校でのことは先生にお任せします」はNGです。
家庭でもできることは、親の責任でしっかりと対応する姿勢を示しましょう。
回答例(「お子さんが話をしてくれない」という条件がある場合)
回答例(「お子さんが話をしてくれない」という条件がある場合)
「いじめられたことについて話をしてくれないのは、何でも話しやすい家庭環境を作れなかった親の責任も大きいと思います。娘の気持ちに寄り添って悩みや不安を解決できるように、まずは親子関係を見直すところから始めたいと思います。その上で・・・」
謙虚な姿勢で問題を受け止める姿勢を伝える
「いじめ」では、加害者と被害者という視点で物事を考えてしまいがちですが、どのような場合でも「お互い様意識」を持てる方は、良識ある保護者だと感じてもらえます。
いじめられる側になったとしても、「もしかしたらうちの子にも悪いところがあったのでは?」などと考えられる器の大きさを示しましょう。
回答例
「もしかしたら、娘がいじめられるのには、娘にも至らない点があったのかもしれません。謝るべきところは謝り、改善できるところは改善していけるように、親としでも精一杯支えていきたいと存じます。また、いじめという辛い状況に追い込んでしまったのは、それまで子育てをしてきた親の責任もあるかもしれませんので、お友達と仲良く生活するために必要なことを娘と一緒に学ぶ機会にしたいと考えます。」
具体的な解決策を考えておく
具体的な保護者の対応を聞かれることがありますので、お子さんの性格や学校の特徴に合わせた解決策を考えておきましょう。
「いじめ」に対する保護者の考え方を聞かれた場合でも、具体的な解決策を含めて答えることができれば好印象でしょう。
まとめ
親としての資質を問われている「いじめ」の質問は、答え方を間違えると不合格に直結する恐れがあります。
何をどのように答えるべきか、しっかりと話す内容を練っておきましょう。
もし「どのように答えたら良いのか分からない」と不安な方は、私の面接レッスンを受けてみませんか。
元面接官の立場から、学校が求めている回答を一緒に考えさせていただきます。
面接レッスン後にはオーダーメイドの回答集もお渡しさせていただいておりますので、お父様の面接対策にもご活用ください。
この記事をお読みの方々は、お子様のためにできることは精一杯やりたいという熱意あふれる方々ばかりだと思います。
お子様の志望校合格を叶えるために、ぜひ高い合格実績をほこる面接レッスンを受けてみてください。