小学校受験の面接では、答える内容と同じくらいマナーも大切って聞くけれど、実際のところどうなのかしら。
入学するのは子どもなんだし、親のマナーが悪いというだけで不合格になることってあるの?
小学校受験では、子どもも保護者もマナーが悪いと不合格になるでしょう。
特に、名門校や伝統校と呼ばれる学校ほど風格や気品を重視する傾向があるため、マナーが悪いというだけでも不合格になります。
面接対策レッスンを通して、続々と難関校の合格者を輩出している小学校受験のプロである筆者が、小学校受験で合格を勝ち取るためのマナーと礼儀作法について解説していきます。
小学校受験面接のマナーを考える前におさえておきたいこと
親子面接や保護者面接を受ける上で重要なのが、「受験する学校が求めていること」を分析するということです。
目指す子どもの姿については、建学の精神や学校教育目標に表れていますし、学校が求めている保護者の姿は入学説明会や学校見学会などで説明があったと思います。
この観点を踏まえた上で、適切なマナーを考えることが大切です。
また、あくまでも主役はお子さんであることを念頭に置いてください。
いかに子どもをサポートして引き立たせてあげられるか、親の手腕の見せ所になります。
親子で知っておきたい小学校受験面接のマナーと礼儀作法
面接の評価は、質疑応答だけではありません。
入室から退室までずっと評価されていることを忘れずに、常に高い意識を持って臨みましょう。
面接対策といえば、面接練習が主になりがちですが、マナーや礼儀作法を理解しておくことも大切ですので、以下のポイントを確認しておいてください。
ここでは一般的な面接の場面を例に取って、マナーと礼儀作法について解説します。
入室時のマナー
入室時は、面接官から「お入りください」と声をかけられることが多いです。
声をかけられたら、以下の手順で入室をしましょう。
- ノックを3回する。
- 両手でゆっくりドアを開ける。
- 姿勢を正して「失礼します」と言って父親、お子さん、母親の順に入室する。
- 3人が入室したら、母親が両手でそっとドアを閉める。
- 面接官に「よろしくお願いします」と挨拶をしてからお辞儀をする。
入室時は、お子さん、父親、母親の順でも良いのですが、お子さんが初めての場所に戸惑ってしまうことが想定されるため、この時は父親が先頭になってお子さんをサポートしてあげるのが良いでしょう。
また、ドアは両手で開閉することがマナーですので、持っている荷物は一時的に肘にかけて両手が開くようにしてください。
また、挨拶とお辞儀をする時は、しっかりと面接官の目を見て挨拶をすることと、挨拶を言ってからお辞儀をすることを心がけましょう。
着席するまでのマナー
入室をしたら、面接官が荷物を置く場所や席を案内してくれると思います。
指示に従って行動することと、スマートな立ち居振る舞いを意識しましょう。
荷物をきれいに整えて置いたら、指定された席の横に立ちます。
もし席の横に立つスペースがなければ、席の前に立っても大丈夫です。
特に指示がなければ、3つある席のうち上座に父親、真ん中にお子さん、下座に母親が立つのが良いでしょう。
席の横に立ったら、面接官に「どうぞお座りください」などと声をかけてもらえます。
そうしたら「失礼します」と言って座るようにしてください。
くれぐれも、席に案内されたからと言って、「どうぞ」と言われる前に座らないように気を付けましょう。
このマナーは、事前にきちんとお子さんに伝えておいてください。
質疑応答中のマナー
着席すると、質疑応答が始まります。
この時、面接官に「マナーが良いご家庭だ」と感じてもらうためには、姿勢の良さが大切です。
<正しい姿勢で座るためのポイント>
- 椅子に浅く腰掛ける(背もたれに寄りかからない)
- 背筋を正す
- 腰、膝、足首が90度になるようにする(足を引いたり、伸ばしたりしない)
- 父親は握り拳1個分から肩幅程度に足を開き、拳を軽く握って太ももの上に乗せる
- 母親は両足を揃え、太ももの上で右手を下にして両手を重ねる
- お子さんは、不安定にならないように椅子に座る(足と手の礼儀作法は男の子なら父親、女の子なら母親に準じる)
この時、椅子の高さによってはお子さんの足が床に着かないことがあるかもしれません。
事前に「足はぶらぶらしないで座ろうね」と声をかけてあげましょう。
また、お子さんが椅子に座った時に正しい姿勢が取れていなかったら、質疑応答が始まる前に「もう少し前に座ろうね」などと言葉をかけてあげてください。
中には、面接中にどうしても姿勢が崩れてしまうお子さんもいらっしゃいます。
そういうお子さんの場合、「お母さんが膝を手で触ったら『姿勢を正してね』っていう合図だよ」と約束をしておき、姿勢が崩れてきたら膝を軽く触ってあげるようにしましょう。
退席・退室までのマナー
質疑応答が終わると、面接官に「それではこれで面接を終わりにします。後ろのドアからご退室ください。」などと言われます。
そうしたら、以下の手順で退室をしましょう。
- 面接官に「ありがとうございました」などと挨拶をして席を立つ
- 椅子を入れるような机と椅子の配置の場合は、椅子を入れる
- 家族3人が席を立ったら、再度「ありがとうございました」と挨拶をしてからお辞儀をする
- 手際よく荷物を取る
- ドアの前まで来たら、面接官の方に向き直り、「ありがとうございました。失礼致します。」と挨拶して、お辞儀をする
- 両手でドアを開けて退室し、両手でドアを閉める
ドアを閉めてからも私語は厳禁です。
校舎内はもちろん、自宅に帰るまで常に見られているという意識を持って入試に臨んでください。
立ち居振る舞いだけがマナーじゃない!
ここまで、入室から退室までのマナーと礼儀作法について解説しましたが、立ち居振る舞い以外にも気を付けることがあります。
それは、服装と身だしなみです。
小学校受験では、お子さんの服装に「動きやすい服装」と指定があることが多いのですが、細かい指定はありません。
同様に、保護者の服装についても指定されないため、「私服でもいいのではないか」と考える方もいらっしゃいます。
もちろん服装だけで合否を判断することはないと思いますが、少なくとも印象は良くないでしょう。
「場に応じた服装をする」というのは常識ですから、服装や身だしなみが整っていないと「非常識な家庭」と思われる恐れがあります。
合格を勝ち取るためには、以下のポイントを押さえた服装と身だしなみをしてください。
男の子の服装と身だしなみ
男の子の基本的な服装と身だしなみは、次の通りです。
- トップスは、白の半袖ポロシャツ
- ボトムスは、紺の半ズボン(ハーフパンツ)
- 靴下は、白の無地
- 外履きは、黒の革靴(ローファー)
- 内履きは、白の上履き(バレエシューズなど)
- 髪型は、清潔感があり活発なお子さんに見えるように整える(前髪は眉上、サイドは耳が出ている、襟足はスッキリなど)
入試が暑い時期なら通気性の良い素材のものを選んであげてください。
晩秋や冬などの寒い時期なら、白の長袖ポロシャツに紺で無地のベストを重ね着すると良いでしょう。
半ズボン(ハーフパンツ)は、ハンカチが入れられるようにポケットが付いているタイプを選んでください。
入試では行動観察や運動考査が行われますので、上履きはお子さんの足に合ったサイズを選び、履き慣れておくことが大切です。
女の子の服装と身だしなみ
女の子の基本的な服装と身だしなみは、次の通りです。
なお、行動観察や運動考査の有無によって定番の服装が異なりますので、受験する学校に合った服装を選んでください。
<ペーパーテストと面接のみの学校の場合>
- 白の半袖ブラウスと紺のジャンパースカート
- 靴下は、白の無地
- 外履きは、黒のフォーマルシューズ(ワンストライプシューズ、ローファーなど)
- 内履きは、白の上履き(バレエシューズなど)
- 髪型は、清潔感があり聡明な印象を与えるように整える(ショートなら髪の毛を耳にかける、ロングなら左右に分けて三つ編みにするなど)
入試の時期によっては、ブラウスは長袖にして、ジャンパースカートはボレロとセットアップになっているタイプにしてください。
前髪は、アップスタイルにするか、横に流しておでこを出すと、利発な印象になります。
<行動観察や運動考査がある場合>
- トップスは、白の半袖ポロシャツ
- ボトムスは、紺のキュロット
- 靴下は、白の無地
- 外履きは、黒のフォーマルシューズ(ワンストライプシューズ、ローファーなど)
- 内履きは、白の上履き(バレエシューズなど)
- 髪型は、動きやすくて崩れにくい結び方
行動観察や運動考査がある場合は、お子さんが動きやすい服装にしてください。
入試が寒い時期に行われるなら、トップスは白の長袖ポロシャツに紺で無地のベストを重ね着すると良いでしょう。
お母様の服装と身だしなみ
母親の服装は、紺のワンピースにジャケットを合わせるのが定番です。
夏の入試でも、ジャケットを着るのがマナーになっているので気を付けましょう。
清潔感がある身だしなみをすることを心がけ、次のポイントを押さえるようにしてください。
- アクセサリー(ピアス、ネックレス、コサージュなど)は着けない
- 明るい髪色はNG
- ロングヘアの場合、紺や黒のバレッタやヘアゴムなどを使ってスッキリとまとめる
- ワンピースは、膝下丈だと品が良い印象になる
- バッグは、黒や濃紺のコンパクトでシンプルなデザインにする
- ストッキングは、ベージュ(ストッキングを履かない、黒タイツはNG)
- その他、靴やスリッパなどのアイテムも、フォーマル感のあるデザインで落ち着いた色を選ぶ
- メイクは、ナチュラルメイクにする(厚化粧はNG)
受験の主役はお子様ですので、母親はダークカラーで落ち着いたデザインの身だしなみになるように心がけてください。
お父様の服装と身だしなみ
父親の服装は、紺色のスーツが定番です。
夏の入試でも、ノーネクタイやジャケットを着用しないのはマナー違反になりますので、学校側が「熱中症対策のためジャケットの着用は不要です」などとアナウンスしない限りはネクタイとジャケットを着用してください。
また、母親同様清潔感のある身だしなみを心がけ、次のポイントに気を付けましょう。
- ワイシャツは、無地の白でレギュラーカラーを選ぶ(ボタンダウンはカジュアルデザインなのでNG)
- ネクタイは、無地で紺のものだと落ちつた印象になるが、ピンドットなどの目立たないデザインや、深めの青色などの落ち着いたカラーでも大丈夫
- タイピンは、シンプルなデザインのものを選ぶ
- アクセサリー(カフスやチーフなど)は身に着けない
- 髪型は、清潔感が出るように整える
- マスクを外す機会はないかもしれないが、髭はきちんと剃っておくと清潔感が出る
- その他、靴下や革靴などのアイテムも、フォーマル感のあるデザインで落ち着いた色を選ぶ
父親も、ダークカラーで落ち着いたデザインの身だしなみになるようにしましょう。
まとめ
小学校受験のマナーや礼儀作法について解説しましたが、いかがでしたか。
面接の礼儀作法に限らず、服装マナーもそのご家庭の品格を判断する材料となります。
服装だけで合否が決まることはありませんが、お子さんのために不安要素になり得ることは解消してあげたいですよね。
幼児教室では、質疑応答の内容について指導してもらえる教室はあっても、面接の礼儀作法や服装のマナーまで教えてもらえるところはほとんどありません。
そのため、「ネクタイはこれでいいの?」「入室の仕方は何が正解なの?」「退室時の挨拶はなんていうのが好印象?」など、入試直前や当日になってから不安や悩みを抱えてしまう人もいらっしゃいます。
そのような不安を事前に解消するためには、プロによる面接レッスンを受けておくのがおすすめです。
元面接官で幼児教室の代表をしている私が提供する「小学校受験面接特訓」は、お時間をたっぷり2時間いただいて、面接での回答や立ち居振る舞いをレクチャーさせていただいています。
個別レッスンのため、ご家庭の悩みに寄り添った面接指導をご提供できるのが、幼児教室にはない強みです。
模擬面接、質疑応答の回答集の作成、マナーや礼儀作法など、総合的にレッスンをさせていただきますので、受験に関して不安や悩みがある方はレッスンを受けてみてほしいと思います。
お子さんの合格を勝ち取るために、ぜひお力添えをさせていただけたら幸いです。
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