幼稚園受験願書で、『 教育方針 』の欄があるんだけど、なんて書けばいいの?!
『 教育方針 』の書き方を知りたい!
どのご家庭も、お子さんにはこんな大人になって欲しいという願いを持って教育されていますよね。幼稚園受験の願書においても、家庭の教育方針は重要な判断基準となります。
そこで、今回は今まで都内御三家をはじめとした全国の名門幼稚園合格願書を手掛けてきたプロが、教育方針の書き方について徹底解説いたします。
ぜひ今後の願書作成に役立ててください。
幼稚園受験の願書で、 教育方針について書かせる理由
幼稚園の願書で教育方針について書かせる場合、大きく分けて3つの理由があります。1つ目が「幼稚園の方針との一致点を知りたい」、2つ目が「具体的な取り組みを知りたい」、最後に「子どもがどう育っているか」です。では、1つずつ確認していきましょう。
幼稚園の方針との一致点を知りたい
私立の幼稚園は基本的に、それぞれが掲げる建学の精神や教育方針、宗教的価値観によって運営されています。お子さんに対する関わり方も、当然それらの方針が反映されていますよね。
例えば「礼儀作法や躾を幼少期にしっかりと身につけること」を方針とする幼稚園の願書で、「我が家の教育方針は、個性を尊重しのびのびと過ごすことです」としたらどうでしょう。個性の尊重は大切ですが、この書き方だと躾面はあまり重視していない家庭だとも思われてしまいます。そうすると、園の方針から外れますから合格は難しいでしょう。
教育方針について記入する場合、必ず志望する幼稚園が目指す教育との一致点を全面に押し出して書いてください。
具体的な取り組みを知りたい
教育方針についての項目で、どれだけ立派な教育目標や考えを書いたとしても、それを実践しているか先生方にはわかりません。そのため、教育方針と同時にそれを実現するための行動や取り組み内容についても知りたいという思いが願書には込められています。
実際に渡しは過去に多くの願書を添削してきましたが、教育方針はしっかりと書いているのに、それを裏付ける行動について書くご家庭は意外と少なかったのです。
先生方としては、入園後にも園と協力して躾や教育に取り組んでくれるご家庭であることがわかれば安心ですよね。願書の教育方針で具体的な取り組みを書くことは、きちんと実現に向けた努力や行動ができる家庭であるというアピールにもなります。
子どもがどう育っているのか
教育方針や取り組みについてわかったあと、まず先生方が気になるのは「その結果、今お子さんはどんな風に育っているのだろう」ということです。勿論お子さんの様子は考査や親子面接でも確認できますが、家庭内での様子はわかりません。そこを願書で補うことが重要です。
教育方針や取り組みをした結果、お子さんのどんな能力が伸びたと感じていますか。あるいは、どのような性格に育っていますか。それを明らかにすることで、よりお子さんの良さを知っていただくこともできますよ。
できるようになったことを過剰に褒める「親バカ作文」はいただけませんが、事実としてお子さんの成長を記し、今後もそれを伸ばしていく姿勢を見せることが合格願書では必要です。
幼稚園受験の願書で、教育方針の例文を参考にすると落ちる!
幼稚園受験の願書を作成する際、ネットや本に書いてある例文をそのまま書く方がいらっしゃいます。はっきり申し上げますと、それでは合格できません。
例文はあくまで例文です。良いと思った部分や書き方を少し参考にするのは大切ですが、全てを参考にして丸写し、という文章にならないよう気をつけましょう。
幼稚園受験の願書で、教育方針の例文と書き方ポイント
ここからは、簡単な例文を用いて書き方のポイントをお伝えします。繰り返しになりますが、丸写しするのではなくあくまでも良いと思った点や書き方のポイントを学ぶために使用してください。その上で、それぞれの思いが詰まったオリジナリティのある願書が書けると良いですね。
のびのび
のびのびと育てることを心情としている場合、ます最初に「私共は、早期教育ではなく個人の個性を重視し、のびのびと育てることを大切にしております。」と、少し言葉を付け足して教育方針を記してください。
その上でどういった取り組みをしているかも重要です。「毎週末には自然豊かな場所で遊び回る機会を作り、子どもらしい感性を育てております。」といったような内容です。
「のびのび」と記すと、園によっては「躾はちゃんとしているのだろうか」と心配されることもあります。生活面の自立はできていること、ルールやマナーについては教えていることも付け足すなど、のびのび=放任主義と捉えられないよう文章を組み立ててくださいね。
自己肯定感
キリスト教系の幼稚園では特に、「自己肯定感」がキーワードとなる場合が多いですよね。ミッション系の幼稚園受験を目指すのであれば、家庭の方針でも自己肯定感を大切にしていると伝えたいところです。
例えば「我が家では子どもの自己肯定感を高めるために、毎日お互いの良いところを伝え合う習慣があります。」のように、習慣化していることを書くのも好印象です。また、教会に通っている場合には「神様の存在を幼少期に知ることで、いつも自分が見守られているという安心感を持って欲しいと思います。」などと宗教に関する考えも混ぜてください。
自己肯定感が上がったことによって、お子さんはどう成長しているのかも必ず書きましょう。それが幼稚園生活でどう活かせるのかにまでつなげられるとより良いですね。
挨拶
協調性や集団での関係性、躾を特に重んじる幼稚園では、挨拶も非常に重要視されます。願書に組み込む場合、「家庭内での挨拶は勿論、誰に対しても目を見てはきはきと挨拶することを徹底して教えて参りました。」のように、挨拶する際に気をつけていることについても触れてください。
挨拶を教育目標とする場合、お子さんのエピソードも考えやすいですよね。例えば「散歩中、すれ違う全ての人に自分から挨拶をするようになり、地域の方との交流が増えました。」といったように、他者との関わりも発展している内容だと好印象です。
ただ、考査や面接で緊張のあまり自分から挨拶ができないお子さんですと、「願書の内容と違うな」と思われがちです。当日もしっかり自分から挨拶することを一緒に教えてくださいね。
ありがとう
挨拶と同じく、「ありがとう」といった感謝の言葉を重視する教育方針は、エピソードも作りやすい内容です。一方で他の方ともエピソードが被りやすいので、書き方には注意が必要です。
「私共は感謝の心を育てるため、些細なことでもありがとう、と伝えるよう教えております。娘も物心ついた頃には、毎日の生活でありがとうを沢山伝えてくれます。」といった文章から、具体的なエピソードにつなげていくのが良いでしょう。
感謝の気持ちを素直に伝えたことにより、お子さんの心情にどういった変化があったのかまで書けるとより願書の魅力が増します。「◯◯という経験から、自分も感謝される喜びを知り、現在は△△」のように、順序立てて書かれているとわかりやすいですね。
自主性
自主性を大切にしているご家庭であれば、生活する上でどういったところから自主性を育ててきたのか詳しく書くことが好ましいでしょう。
「子どもの自主性を重んじており、指示ではなく自分で考え行動する機会を自然と増やしております。」などと前置きをして、具体的なエピソードを詳しく記してください。その際、子どもが出来たことに内容が偏りがちですが、どういった声かけをしているのかなど親の行動も入れましょう。
例えば子どもが自主的に取り組み始めたことで支障が出た際、「こうしたら、と決めてあげるのではなく、それぞれの良さを説明した上で、自分で選択できるようにする」など、行動例を挙げることが大切です。
思いやり
子どもの思いやりを大切にしているのなら、それを促すためにどんな躾や支援をしてきたのかが重要です。「思いやりある心を育てるため、庭で花や野菜を育てております。毎日自分でお世話をする中で、命に対する責任感や優しさが育ってまいりました。」といったように、取り組みの結果思いやりが育ったことを書けると良いでしょう。
思いやりを育てるエピソードでは、植物や生き物に触れていることを例に挙げるのがわかりやすいでしょう。また、祖父母と同居していたり、幼い弟や妹との触れ合いがあったりする場合はそちらのエピソードもおすすめです。
幼稚園では集団内で相手を思いやりながら過ごすことが求められます。現在のお子さんを見て、他者に対する優しさがある場合にはぜひ願書に書いてください。
幼稚園受験の願書で、教育方針を箇条書きで書く場合の例文と書き方ポイント
幼稚園願書では、記入欄の関係や先生からの指示で、教育方針を箇条書きで書くことが求められる場合もあります。その際にも、軽くで大丈夫ですのでエピソードに触れられると良いでしょう。
例えば、以下の通りです。
- 誰に対しても優しさを持って接するよう教えており、近隣に住む高齢者の荷物を代わりに持つといった思いやりが育っております。
- ありがとう、と素直に伝える習慣を作ってきたため、些細なことでも笑顔でお礼を言えるよう成長しました。
箇条書きですから、一文のなかに簡単なエピソードを入れるというイメージで書くことをおすすめします。文章は3行以上にならないよう気をつけてください。
【幼稚園受験願書】『 教育方針 』の例文や書き方をプロが解説まとめ
教育方針についての書き方を見てきましたが、いかがでしたか。幼稚園受験を目指すに当たり、教育方針があやふやな場合には、どう言語化するかしっかりと話し合って願書を作成してください。
とはいえ、まだ幼いお子さんを育てながらの幼稚園受験対策は本当に大変ですよね。その中で教育方針についても話し合い、文章にして、エピソードも考えて・・・となると、気の遠くなるような作業です。私はそのようなご家庭のために、願書作成代行をしております。毎年多くの願書を手掛ける受験のプロが、皆様の代わりに願書を作成いたします。勿論、家庭の教育方針がうまく言葉にできない、という方でも、丁寧にヒアリングをした上で言語化していきますからご安心くださいね。