幼稚園受験にある親子遊びってどんなことをするの?
幼稚園受験親子遊びの内容と対策を知りたい!
入園考査では、行動考査でお子様の個性や協調性などが見られますが、親御さんと普段どのように関わり、コミュニケーションを取っているかを見る「親子遊び」の考査というものも、入園考査の中に組み込まれています。
親子遊びといえども、幼稚園によってその試験内容は様々です。
幼稚園受験では、親8、子ども2と言われるほど、親御さんによって合否が大きく決まるとも言われており、親子遊びの考査も合否に大きく影響しています。
今回は、幼稚園受験における親子遊びとはどのようなものか、考査の内容や対策についてお話しします。
幼稚園受験の親子遊びって?
入園試験を実施している幼稚園の考査では、ほとんどの幼稚園で考査に組み込まれている親子遊び。
その名の通り、親子で遊んでいるところや、日頃からどのように親子で触れ合っているか、といった点をチェックされる行動観察です。
この考査では、お子様だけでなく、親御さんも考査の対象となるため、親御さんの行動によって合否が大きく変わる、大変重要な考査となっています。
また、親子遊びではお母様が考査に参加されることが多いイメージですが、幼稚園によってはお父様が参加される「父子遊び」を取り入れている幼稚園もあるのです。
そのため、幼稚園受験のために直前で遊ぶ練習をしよう!というスタンスで臨んではいけません。
日頃からの親子のスキンシップやコミュニケーションが、親子遊びの最も重要な対策なのです。
幼稚園受験の親子遊びの内容
幼稚園受験の親子遊びには、室内遊びや親子で一緒に課題を取り組む、といったことが主な考査の内容となっています。
日々、どのようなコミュニケーションを取り、良好な親子関係を築いているのか、といった点がこの考査では重視されるようです。
また、お子様の行動や積極性を親御さんがきちんと受け止め、親御さんがどのような事態においても、お子様の個性をきちんと理解し、その場に合った対応が上手く取れるか、といった点も合否に大きく影響しているようです。
幼稚園受験の親子遊びの考査では、実際にどのような考査が行われているのか、見てみましょう。
絵本の読み聞かせ
多くの幼稚園で取り入れられている、絵本の読み聞かせ。
親子で教室にある絵本を自由に読んでください、という試験内容です。
この考査では、親子でどのように絵本を読んでいるのか、親御さんはお子様にどのように絵本の読み聞かせをしているのか、といったコミュニケーションの取り方について、試験官の先生方は見ています。
ご家庭によって読み聞かせの方法は様々ですよね。
しかし、特にこれが正解!というものはありません。
親御さんの膝の上にお子様が座って読み聞かせをしている、寝転んで読み聞かせをしている、お子様が絵本を読んでいるのを親御さんが横から見守る。
様々なコミュニケーション方法で親子の読み聞かせを楽しまれていると思われます。
幼稚園受験の場だからといって、きちんとお座りして読み聞かせを聞くことは必ずしも正解ではありません。
家で行っている読み聞かせをそのまま行うだけで大丈夫です。
また、絵本をめくって遊ぶ、絵本に描かれているイラストやキャラクターの話をするなど、お子様自身も、ただ絵本を読むのではなく、絵本のさまざまな事柄に対して、大人が予想しない様々な遊びを思いつきます。
読み聞かせの考査でお子様が読み聞かせよりも、絵本自体に興味を持った場合は、無理に読み聞かせをお子様に強制するのではなく、お子様と一緒に、絵本のイラストを見てお話をしたりするだけでも十分コミュニケーションを取ることができているとみなされます。
読み聞かせの考査がある幼稚園では、椅子や机が用意されず、教室の床にそのまま座って読んでください、と言われるところが多いようです。
その場合、親御さんはかっちりしたスーツは床に座る際に動きにくかったり、座りにくかったりすることがありますよね。
そのため、汚れても気にしなくていい動きやすい受験用の服装をされている方を多く見受けられます。
お子様が寝転んだり、床に座り込んで読み聞かせをする時にも、親御さんは動きやすいスタイルで臨むようにしましょう。
そして最も大切なのが、最後のお片付けです。
幼稚園によっては「本はそのまま置いておいて結構です。」と言われるところがあると思われます。
しかし、読んだ本はきちんと元の場所に戻す、ということをお子様にきっちりと教えてあげることが大切です。
室内遊び
幼稚園受験ではほぼ全ての園で取り入れられている室内遊び。
お子様だけの室内遊びの考査を行っている園もありますが、それとは別に親子遊びとしての室内遊びの考査を取り入れている幼稚園も多いようです。
室内遊びでは、お子様の積極性や発達を見ると共に、親御さんがお子様に向き合った対応をしているか、といった点も重視されているようです。
室内遊びと言えども、内容は様々。
歌や音楽に合わせてダンスや手遊びをしたり、遊具を使って遊んだり、といった内容が多いようです。
幼稚園の遊戯室に、平均台やマット、フラフープなどを置いて、コースを回るサーキット遊びはよく考査に組み込まれており、幼児教室やお受験塾などでも、親子遊び考査の対策に取り入れられています。
また、置いてある新聞紙を使って自由に親子で遊ぶ、という考査もこれまで実際にありました。
新聞紙を丸めてボールのようにして投げたり、新聞紙を破って新聞紙を紙吹雪のようにする、大きな折り紙のように折って遊ぶ、新聞紙を筒状にして声を出して遊ぶなど、新聞紙一つにしても様々な遊び方が楽しめます。
お子様がその場にあるものをいかに遊びに活用するか、お子様が身近にあるものをどのように取り入れて遊ぶのか、といったお子様の積極性を親御さんがしっかりと受け止め、サポートしてあげることが大切なのです。
中にはぐずって泣いてしまう子や、周りの雰囲気に圧倒されて動けなくなってしまう子もいらっしゃるようです。
その時は、無理に遊ばせるのではなく、親御さんがお子様のペースに合わせて付き添ってあげるようにしましょう。
実際に、室内遊びの際にとあることから泣いてしまい、泣き疲れて寝てしまったというお子様がいました。
親御さんはお子様を無理に起こすのではなく、抱っこして寝かせてあげたそうです。
親御さんは「ああ、寝てしまったからもう不合格だ・・・」と諦めつつも、その後の考査でもお子様のペースに合わせたそうですが、なんと結果は合格!
これは、親御さんがお子様にきちんと寄り添い、お子様に無理にあれこれ行動させず、お子様の性格をしっかり理解した上で行動されたことが幼稚園に評価されたようです。
このように、もし考査の中で予期せぬことが起こってしまっても、焦ったりお子様に無理やり強制するのではなく、親御さんがお子様に対して真摯に向き合うことが大切です。
積み木やマグネット遊び
積み木やマグネットを使った遊びも、親子遊びの考査でよく取り入れられている項目です。
以前は粘土を使った親子遊びも多かったようですが、衛生面の問題などから、最近では粘土を使った考査よりも、積み木やマグネットといった知育玩具を使った考査が増えています。
玩具を取り入れた親子遊びでは、
- 幼稚園が指定した項目に従って遊ぶ
- 目の前の玩具で自由に遊ぶ
のどちらかに分かれています。
「幼稚園が指定した項目に従って遊ぶ」場合は、積み木やマグネットを使って、動物や建物を作る、できるだけ高く積み重ねる、指定の色の玩具を使って遊ぶ、といった内容。
親子で遊びながら課題に取り組む様子を、試験官の先生方はチェックしています。
「目の前の玩具で自由に遊ぶ」場合は、教室に置いてある様々な遊具を使って、親子で自由に遊ぶ、といった内容で。
親御さんがお子様に向き合って遊んでいるか、といった点をチェックしています。
マグネット遊びでは、丸や四角、三角など様々な形のマグネットを磁石が付く壁に付けて遊び、ここ数年人気のマグフォーマーのような磁気ブロックを取り入れている幼稚園が多いようです。
積み木やマグネットを使って、お子様の創造性や発想力を親御さんがどう活かすか、といった点や、お友達と一緒に玩具を共有することで、協調性や集団への適応力といった点を試験官の先生方は観察しています。
日頃から、家にある積み木やマグネットといったおもちゃで親子一緒に遊ぶことで対策にもなるため、ぜひお子様と一緒に遊ぶことに取り組んでみてください。
自由時間
面接や他の考査の待ち時間も、実は親子遊びの考査の一つと言われています。
ある有名幼稚園では、次の考査まで空き教室で20分ほど休憩時間を設けていますが、実はこれも親子遊びの考査の一環だと言われているのです。
休憩場所となっている教室には、試験官の先生はおらず、受験生の親子が10組ほど。
先生の目が届かないところで、普段親子でどのようなコミュニケーションを取っているのかを、実は教室にあるカメラで別室から試験官の先生方がモニタリングしているそうなのです。
自由時間や待ち時間は、事前にスケジュールとして伝えられている幼稚園もあれば、受験当日の考査の際に、告げられる場合もあります。
自由時間に、親子で持参した絵本を読んだりお絵描きをしたり、手遊びで遊ぶなどで、必ず親子一緒にいる時間を作るようにしてください。
試験官の先生がその場にいないからと、試験の様子を試験中にご家族にスマホで連絡する方も時々いらっしゃるようですが、そのようなことは厳禁です。
また、幼児教室などで顔見知りのママ友さんとお話しされる、という方も見受けられますが、挨拶程度のおしゃべりならばまだ問題ありませんが、おしゃべりに夢中になってしまい、お子様から目を離してしまう、ということも厳禁です。
幼稚園受験の親子遊びで見られていること
親子遊びの考査では、これといった正解はありません。
普段の親子としての接し方が活かされる場となりますので、親御さんが遊びを通じてお子様とどのように向き合っているか、ということが重視される考査となります。
幼稚園受験の親子遊びで試験官の先生方が観察している点やチェックしている点について、具体的にお話ししていきましょう。
親子のコミュニケーションの取り方
親子でどのようにコミュニケーションを取っているか、といった点は、親子遊びにおいてとても大切なポイントのひとつです。
親子でしっかりとコミュニケーションが取れているということは、お子様が幼稚園に入園してからも、先生方やお友達としっかりとコミュニケーションが取れることに繋がります。
また、入園してからお子様が幼稚園生活で困ったことが起こっても、お子様とのコミュニケーションをしっかりと取ることができていた場合、トラブルの解決にも繋がります。
また、他の受験生の親子の方たちとの円滑なコミュニケーションは、入園後のPTA活動にも繋がってきます。
親子のコミュニケーションがしっかり取れていることで、入園後も集団生活を円滑に送ることができると判断されるため、親子間のコミュニケーションの取り方においては、幼稚園側はしっかりとチェックしているようです。
親が子どもに向き合って接しているか
親子遊びの際に、お子様がご機嫌で親御さんと一緒に遊ぶのは理想的ですが、現実ではそういうわけにもいきません。
親御さんの意に反して、遊びたくない!と泣いてしまったり、初めて見る多くのお友達に圧倒されてしまい、人見知りのようになってしまった、なんていうお話しもよく耳にします。
そういう時でも親御さんがお子さまとしっかりと向き合って、無理やり遊ばせたりするわけではなく、状況に応じてお子様に接することが大切です。
幼稚園受験は、親御さんが受験を決めて、お子様と一緒に考査に臨みます。
考査ではどうしても親御さんは焦りがちになってしまいますが、しっかりとお子様と向き合い、親御さん主導の受験になっていないか、その辺も幼稚園は見ているのです。
少数ですが、保育施設にお子様のことを任せっきり、という親御さんもいらっしゃるようです。
しかし、お子様としっかりと向き合わず、他人任せにしてしまうと、前述のコミュニケーション能力の形成にも関わってきます。
普段一緒に長い時間を過ごす親御さんがお子様としっかりと向き合うことで、コミュニケーション能力が育まれ、その後の幼稚園生活にも関わってきます。
子どもの自主性
幼稚園受験では、どうしても親御さんがお子様に色々と手を出してしまったり、口を出してしまいますよね。
しかし、親子遊びではお子様の自主性を親御さんがいかに尊重しているかが非常に重んじられます。
これは実際にあったお話しですが、ある幼稚園で親子遊びの考査の際に、親御さんとお子様の目の前に紙袋がひとつ置かれていました。
紙袋の中には、はさみ、セロテープ、紐、紙が入っています。
幼稚園から袋の中に入っているものの説明があったあと、「この紙袋で自由に遊んでください」と声掛けがありました。
親御さんは紙袋からはさみやセロテープなどを取り出し、お子様もご機嫌で親御さんと一緒に工作に取り組み、その後の考査も特に問題なく終了しました。
日頃から幼児教室でも特に成績に問題もなく、希望幼稚園にも合格するだろうと言われていたこのお子様は、なんと不合格になってしまいました。
実は親子遊びの考査で、この親御さんの行動に問題があったのです。
分かりますでしょうか?
幼稚園からは「紙袋で遊んでください」と声掛けはあったものの、工作をしてくださいという声掛けはありませんでした。
今回は、親御さんの先導でお子様は工作に取り掛かりましたが、親御さんが手助けをせずお子様の自主性に任せると、紙袋を持ってシャカシャカ音を鳴らして遊びたかったのかもしれない、紙袋を破って自分で中から物を取り出したかったのかもしれない、と考査後に親御さんが気付かれたのです。
お子様の自主性を無視して、親御さん自身が「文房具が入った紙袋=工作」というイメージで親子遊びに取り組んでしまったため、幼稚園はその辺を判断して合否に影響してしまったのではないか、と後から大変後悔されていました。
幸い、この経験を活かし、その後にご兄弟が無事に合格されましたが、試験官の先生方はこのような子どもの自主性という点も考査でしっかりと観察しているのです。
大人のイメージでお子様に行動を手助けするのではなく、あくまでお子様の目線に立ち、お子様が何をしたいのか、親御さんはお子様のやりたいことにどのようにサポートすればよいのか、そのような観点を持って親子遊びに取り組むことが大変重要です。
【幼稚園受験】親子遊びとは?内容と対策をプロが解説まとめ
今回は、幼稚園受験の考査でほとんどの園が取り入れている、親子遊びの考査についてお話しいたしました。
親子遊びは、日頃からの親子のコミュニケーションや親としてのお子様の人間性の形成にどのように取り組まれているかがはっきりと分かる考査です。
そのため、時間をかけてじっくりと取り組むことが一番の対策となります。
家での読み聞かせや親子遊びをしっかりとすることで、幼稚園受験でもいい結果を出すことができるのではないでしょうか。
親子遊びを通じて、親御さん自身がお子様に多くのことを学んだ、という声も多く聞かれます。
ぜひ、日頃からお子様と真摯に向かい合い、コミュニケーションをしっかりと取って幼稚園受験に臨んでください。