幼稚園受験の願書ってどう書けば良いの?!
ポイントを知りたい!
幼稚園受験では、お子様の能力や態度以上に親御様の熱意や家庭の教育方針、志望理由が重要となります。親御様の協力が必要不可欠な幼稚園では、教育的な価値観が近く、先生や他の保護者と円滑な関係を築き、子育てのできる親御様であるかを事前に知りたいからです。
それらを伝えるために重要なのが「願書」です。今回は、幼稚園受験における願書の書き方について、元面接官で毎年全国の難関幼稚園願書を手掛ける私が詳しく解説していきます。
幼稚園受験願書にある『志望理由 』の書き方
多くの幼稚園願書では、志望理由を記入する欄が存在します。記入欄が多くとられている場合、面接ではわざわざ志望理由を質問しない、という園も多い傾向です。そのため、後悔しないように熱意を込めて志望理由を記入してください。
願書の志望理由は、単に「貴園の教育方針に感銘を受け、志願しました」といった誰でも書けるような内容ではなく、なぜその幼稚園に我が子を預けたいと思ったのかを明確にする必要があります。
また、志望する幼稚園の教育方針やカリキュラムの中で、特に家庭の教育方針と一致すると感じた部分をピックアップして書くことが重要です。
文字数にもよりますが、志望する幼稚園で過ごすことにより、お子様にはどのような能力を身に付けてほしい、どのように育ってほしい、といった部分まで詳しく書けると好印象です。
以下の記事では、より詳しい例文も紹介しているので、ぜひ志望理由の参考にしてください。
幼稚園受験願書にある『トイレトレーニング』の書き方
幼稚園受験の願書特有の項目として、トイレトレーニングが挙げられます。幼稚園によって「入園までに必ずオムツを外すこと」を厳しく言われるところもあれば、「お子様の発達に寄り添った対応をしますので、オムツは外れていなくても問題ありません」と説明会で言われる場合もあります。
願書にトイレトレーニングの項目があり、面接までに一人での排泄が難しそうな場合には詳しい進行状況を書く必要があります。
まだ一人でのトイレに不安がある場合は、具体的にどこまで達成しているのか、現在どのように補助をしているのかも書いてください。その上で、トイレトレーニングを完了させるためご家族がどのようなサポートをしているのかも付け加えると良いでしょう。
もしも志望する幼稚園の入園条件に「トイレトレーニングを終了させておくこと」がある場合は、必ず面接でも確認されます。面接までに終わらせられる見込みがある場合には、すでに達成済みだと書いてしまっても問題ありません。
詳しい記入方法は、こちらをご確認ください。
幼稚園受験願書にある『単願or併願』の書き方
幼稚園受験の願書では、単願か併願かを質問される場合があります。結論から言うと、「併願」より「単願」の方が、印象が良く受かりやすい傾向です。
理由としては、「リスクを負ってまでも単願にするほど入園したいと思ってくれているのだな」と、熱意が伝わりやすいことが挙げられます。
単願受験者は早い段階から何度も説明会・見学会などに何度も参加するため、園の方針をよく理解している方が多いでしょう。そういう方は、入園後に先生方と考えの違いからトラブルが生じることもほとんどありませんし、協力も得られやすいため好まれます。
さらに、幼稚園側としては後から断られることがほとんどない単願受験者の方が、確実に合格者を確保できるというメリットがあります。
併願の理由などを記入させる願書では、「併願ですが、貴園が第一志望です」という姿勢を崩さず記入してください。また、単願受験を求める幼稚園では面接でも再度質問されやすいため、単願併願にかかわらず理由を明確にしておくのが良いでしょう。
詳しくは、以下の記事をご確認ください。
幼稚園受験願書にある『発育状況 』の書き方
トイレトレーニングと共に、よくある幼稚園受験願書の項目が発育状況についてです。記入できる文字数はあまり多くないため、簡潔かつ具体的な記入が求められます。
お子様が「何をどこまで一人でできるのか」を確認するための項目です。幼稚園によっては説明会で、求める発達段階が細かく設定されます。その場合、園の求めるラインまで育っているのかも確認されていますので注意が必要です。
また、親御様の教育方針、関わり方を知りたいという意図を持って願書項目にしている幼稚園もあります。記入欄の大きさが短い場合は前者、文字数が多めに設定されている場合には両方の側面があると考えて良いでしょう。
発育で気になる点がある方は、それを補うためにどのような育児を心がけているのかも書いてください。
詳しい書き方はこちらで紹介しています。ぜひご覧ください。
幼稚園受験願書にある『 教育方針 』の例文や書き方
幼稚園受験願書でご家庭の教育方針について質問される場合は、幼稚園と同じ教育方針を持っているのか、子育てに対する信念を持ちそれを実践しているのかといった部分を見られています。
多くの場合、受験される幼稚園は「家庭の教育方針と一致する点があるか」も大きな志望理由となるでしょう。
例えば幼稚園の「考える力を養う」という方針に共感した場合、家庭の教育方針でも
「私共は志願者に、何事も自分で考え判断できる人間になって欲しいと思います。そのため、家庭では会話の中で理由を質問するなど、考える機会を意識して作っています。」
といったように、一致点と実行していることを書いてください。
文字数に余裕があれば、それによりお子様がどう育っているのか、エピソードを入れてまとめましょう。
詳しくは、こちらをご確認ください。
幼稚園受験願書にある『子どもの性格』性格別書き方
幼稚園受験の願書で子どもの性格を書かせる場合、お子様の特性やそれに対する親の理解を知りたいという意図があります。
また、幼稚園が「求める園児像」を明確に提示している場合、今後の成長も含め園の求める性格の素質を持っているのかを確認する意味合いも込められています。
性格については、「優しい性格です」「好奇心旺盛です」と簡単に済ませるのではなく具体的なエピソードを入れるのが良いでしょう。お子様の現状や親御様の関わり方が目に浮かぶような内容だと好印象です。
性格別の書き方については、こちらの記事で詳しくお伝えしています。ご確認の上、お子様の性格や願書に使えそうなエピソードを言葉にしてみましょう。
幼稚園受験願書にある『長所・短所』の書き方
性格と同じく、よくあるのが長所と短所についての記入欄です。こちらもエピソードを詳しく書いてください。
長所については、性格と同じく園が求める理想像がはっきりしている場合、そちらについて具体的に記入するのが良いでしょう。
「優しい性格」なら、「横断歩道でお年寄りがいたら、手を引いて渡るような優しさがあります」「母が風邪をひいた時、枕元に飲み物と自分の大切な玩具をおいてくれました」といったように、お子様の良さがわかるようなエピソードが必要です。
短所では、苦手なことに対して親御様がよく理解して対策していることがわかる内容にしてください。また、「すぐに癇癪をおこす」「噛み癖がある」といった、先生方も対処が難しいと感じるような短所すぎる内容は避けてください。
長所・短所に関する詳しい書き方はこちらです。
幼稚園受験願書にある『園に望むこと/期待すること』の書き方
幼稚園受験の願書では、「本園に望むことをお書きください」「園に期待することはありますか」といった項目も存在します。
こちらを記入する際には、「上から目線にならないこと」を心がけてください。
「志願者は大人しい性格なので、お友達ができるように配慮をお願いします」「園で小学校受験の対策もしていただけるとのことで、合格を期待しています」といった、過保護さや何でも園任せにするような姿勢は絶対にNGです。
私は長年、面接官としていろいろな願書を見てきましたが、こういった内容の願書で合格した志願者はいません。
あくまでも低姿勢で、親御様も努力することを伝えましょう。
また、在園・卒園児に知り合いや兄弟がいる方は、その子が園での生活を通してどう成長したのかを書き、我が子にもそのように、といった内容につなげることもおすすめです。
詳しい書き方はこちらをご確認ください。
幼稚園受験願書にある『心配なこと』の書き方
毎年沢山の親御様から願書の作成をご依頼いただきますが、こちらの項目に関する質問が非常に多い印象です。お子様の発育や園での成長で心配なことを記入する欄ですが、素直に書きすぎるのはあまり良くありません。
こちらでは、お子様の発育状況や特性とは別に、要望の多い過保護な親ではないかを確認する意味合いもあるからです。
2007年頃からよく使用されるようになった「モンスターペアレント」という言葉がありますね。我が子可愛さのあまり、不当な要望を先生や他の保護者に突きつける親は、残念ながら現代でも存在します。
幼稚園願書では、願書を通して皆様がそういった親御様でないかも見られています。
そのため、「心配なこと」を記入する場合には客観的な進捗状況や対策を詳しく書き、お子様も成長していることを伝えましょう。そうすると園側も安心できます。
以下の記事に詳しい書き方を説明していますので、ぜひ参考にしてください。
願書写真は笑顔厳禁?!
願書の写真は、笑顔が好印象なのではという疑問を持たれる方もいらっしゃいます。しかし、願書の写真はあくまでも本人確認です。そのため、歯が見えるような満面の笑みや、お子様本来のお顔立ちがわからないような崩れた表情はいけません。
一方で、暗い印象になったり、睨んでいると感じたりするようなお顔もNGです。願書の写真では、口角を軽く上げて微笑んでいるような、爽やかな表情が好印象です。
他にも、写真に映る際の姿勢や服装、頭髪など細かい部分に気をつけることがあります。写真は自宅撮影でなく、スタジオで撮影するのが良いでしょう。
写真は願書によって、「提出の3ヶ月以内に撮影されたもの」などと指定されることもあります。指定がなくても、お子様の成長からお顔立ちが変わってしまうと園も混乱してしまうため、できる限り3ヶ月から2ヶ月以内に撮影したものを使用してください。
幼稚園受験願書の写真については、こちらで詳しく説明しています。
【幼稚園受験】願書の書き方まとめ
いかがでしたか。幼稚園受験の願書では、気をつけるポイントが沢山あります。まずは志望する幼稚園の説明会に参加した上で願書を確認し、どういった項目があるのかを確認してください。その上で、今回の記事を参考に各項目の内容を考えましょう。
幼稚園受験の願書作成にお悩みの方は、一度プロに相談することもおすすめします。私は元面接官という経験から、全国の幼稚園願書作成代行や面接回答付きレッスンをしています。ぜひ一度ご相談ください。