幼稚園受験願書で、『子どもの長所・短所』の欄があるんだけど、なんて書けばいいの?!
長所短所の書き方を知りたい!
幼稚園受験の願書は、小学校以上に項目が細かく設定されている場合も多くあります。その中には、お子さんの長所や短所に関する項目もありますね。
幼稚園受験の願書は、家庭でのお子さんの様子を知るための重要な資料です。特に長所と短所については、面接でも再度触れられる内容ですからしっかりと対策しておきましょう。
幼稚園受験の願書で、長所・短所を書かせる理由
幼稚園受験の願書で長所と短所を記入する必要がある場合には、以下の理由があります。
- 園の方針と一致しているか
- 親が客観的に子どもを見ているか
- 成長を促す関わりができる親か
それでは、それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
園の方針と一致しているか
幼稚園には、保育・教育方針や目標、建学の精神といった理念が存在します。先生方は園の方針に基づき、子どもたちの成長に合った関わりをしてくださいますね。これらの方針に合ったご家庭やお子さんであるかどうかは、長所と短所を見たらよくわかります。
例えば、「人に優しく」といった方針を掲げている幼稚園なら、当然お子さんにも他者への思いやりや協調性の素質を持っていることが求められます。それなのに長所で、「負けず嫌いで、何事も一番になりたいと一生懸命取り組む」と書いたらどうでしょう。
一生懸命なことは非常に素晴らしいのですが、「負けず嫌い」「一番に」としてしまうと、「周りを蹴落としてまでトップを取る子どもと、それを良しとする親」と思われてしまいます。幼稚園が、切磋琢磨することや競争も大切にしているのであれば良いのですが、「人に優しく」を方針としている園には合いませんね。
幼稚園の方針を今一度確認し、それに合った長所を見つけてあげましょう。
親が客観的に子どもを見ているか
願書についてお話すると、「うちの子は短所が見つからない、がんばりやさんなんです」と褒める方もいれば、「正直悪い面ばかりが目についてしまって、長所がわかりません」と悩む方もいます。両極端ですが、どちらも親としては理解できる部分です。
しかし、願書の長所短所では、「褒めすぎる」「けなしすぎる」といった極端な内容はNGです。「我が子は◯◯が得意で、△△な良さもあり、▢▢も・・・」と長所にアピール内容を詰め込むご家庭がよくおられますが、これではお子さんについて客観視できていない親バカと思われても仕方がありません。
短所についても、過度に下げすぎる内容は印象が悪くなります。大切なのは、長所や短所を裏付ける根拠をきちんと書くことで、客観視できている親だと伝えることです。特に伝えたいポイントを絞って、その分エピソードを詳しく書くのが良いでしょう。
成長を促す関わりができる親か
幼稚園願書では、どの項目においても「親として、子育てに精一杯向き合っていること」をアピールする必要があります。お子さんの長所をさらに深め、短所は改善するため前向きに取り組むことのできる親であることが書けるとより良い願書になるでしょう。
特に短所では、あっさりと書くことを意識して「◯◯な点が短所です」だけで終わる方も多くいます。しかし、これでは「短所はわかっているけど、行動しているのか?」が先生方に伝わりません。
改善点があれば、それを受けてどのように対策をしているのか、現在どの程度までお子さんが成長しているのかについて具体的に書きましょう。短所がないお子さんなどいないことは、先生方もプロですからよくわかっています。重要なのは、我が子の短所も客観的に把握し、行動できる親であるかどうかです。
幼稚園受験の願書で、長所を書く時のポイント
幼稚園受験の長所は、特に伝えたいことを1つ、多くても2つに絞って具体的に書きましょう。記入できる文字数にもよりますが、可能であればエピソードも付け足してください。他者から見ても、それが長所だと思っていただけることが大切です。
優しいことが長所の場合
優しさを長所とする場合には、他の願書に埋もれないようなエピソードが重要です。特にカトリック系の幼稚園では、他者への思いやりを教育方針として掲げていることがほとんどです。そのため多くのご家庭が幼稚園に合わせて、「長所は優しいところです」と書きます。
勿論、優しさがその子を表す一番の長所であれば、他の方も書いているからと諦めずぜひ書いてみてください。エピソードがしっかりとしていれば、埋もれることはありません。
例えば「娘は優しい心が育っていると感じます。先日エレベーターに乗車していると、車椅子の方が来られました。エレベーター内は混雑していたため、娘は自分から「私が降りるので、どうぞ乗ってください」と声をかけて場所を譲ることができました。娘の思いやりある行動から成長を感じ、嬉しく思います」といった、第三者との関わりから優しさがわかると良いでしょう。
集中力が長所の場合
集中力を長所とする場合には、現在熱中していることと絡めたエピソードを提示する必要があります。ただ「集中力が高い長所があります」としても、信憑性がないためです。
具体的には、「息子の長所は、何事にも集中して取り組むことができる点です。最近は父の影響でパズルに熱中しており、帰宅後には毎日パズルに挑戦しています。先日は難易度の高い物を一日掛けてやり遂げることができ驚きました。」といったように、現在好きなことと絡めることをおすすめします。
ただし、集中力が高いお子さんは一度熱中すると周りが見えなくなり切り替えができないという短所も持っていることが多いですね。その場合には、必ず対策している内容についてもお伝えしてください。
お手伝いが長所の場合
お手伝いが大好きなお子さんは、周りをよく見て自発的に行動できることが多いため、先生からの印象も良くなります。ただ、願書で書く場合には「親にやらされている感」が出ないよう気をつけましょう。
「毎日の配膳を決まり事としており、時間になるときちんとお手伝いができます」と書くよりも、「私が食事の準備をしていると、となりで箸やお皿を用意するなど、自然と家族の為を考え行動できます」とした方が、指示がなくても考えて行動できるお子さんであることがわかります。
お手伝いの内容は難しくなくても大丈夫です。それ以上に、お手伝いが習慣化していること、自発的に行動していることが大切ですよ。
好奇心旺盛が長所の場合
好奇心旺盛な長所では、集中力を長所とする場合と同じく、現在特に熱中していることと合わせて内容を考えます。また、興味の幅を広げたり、深めたりできるようなサポートをしていることも付け足せると良いですね。
昆虫が好きなお子さんなら、「好奇心旺盛な点が長所です。特に大好きな昆虫については、毎日本で調べております。」と書いた上で、「休日には家族で近隣の自然公園を周り、昆虫を観察することでより学びを深めております。」とも付け足すと、お子さんの好奇心に寄り添える親御さんだとわかっていただけます。
日々の家事育児やお仕事に受験準備と忙しい中で、お子さんの興味に合わせた体験も増やすことは大変かもしれません。しかし、好奇心をアピールするならぜひ親としての取り組みにも触れられるよう行動しておきましょう。
明るいことが長所の場合
長所に明るいことを書く場合には、やや印象が薄くなりがちなので気をつけましょう。例えば「娘の長所は明るいことです。どんな時にも笑顔で過ごしています」と書かれても、他の子と比べてその子の良さが伝わりません。
明るさを表すエピソードでは、失敗しても前向きに捉えられること、周りもポジティブにするような声掛けができることなどが好ましいですね。「娘は天真爛漫で、いつも笑顔を絶やしません。大好きな工作では、上手く行かなくても「別のやり方がいいとわかって嬉しい」と前向きに取り組んでいます。」というような内容です。
考査や面接でも普段の明るさ、天真爛漫さが発揮できるのであればより印象にも残るでしょう。ただ、人見知りや場所見知りが強い場合、「願書と違うな」と思われてしまいます。その場合、長所については一度考えたほうが良いかもしれませんね。
社交的なことが長所の場合
社交的な子は協調性も高いため、考査や面接でスムーズにその長所が発揮できれば先生方の覚えもめでたいタイプです。願書でも、ぜひ入れたい所ですね。
「息子の長所は社交的な点です。」と一言で書いた後に、それを裏付ける具体例を書くのが良いでしょう。例えば「一歩外に出ると、老若男女問わず出会った方全員にご挨拶するため、なかなか目的地にたどりつきません。」「初対面のお友達にも物怖じせず話しかけます。自分から遊びの提案をし、気づけば大勢のお友達に囲まれて遊んでいます。」など、お子さまの社交性を表すエピソードをぜひ付け足してください。
ただし、かぶりがちなエピソードも多いこともありますのでご注意ください。他との差を出したい場合には、独自性のあるエピソードを選び、書き方にもストーリー性をもたせるのが良いでしょう。
慎重なことが長所の場合
慎重なお子さんは、物事に取り組み始めるのが遅いといった短所にもなりがちです。長所に挙げるのなら、書き方の工夫が必要でしょう。
「慎重です」と書くよりは、「物事をよく見聞きし、周りを見て正しい行動を判断しようと考えられます」といったように、言葉を変えるのもおすすめです。その上で、「はじめて三輪車に乗ったとき、2つ上の姉がペダルを漕ぐ様子をじっと観察していました。自分の中に落とし込めたのか、観察後は誰に言われなくても左右のペダルをしっかりと踏み込んですいすいと乗ることができました。」などと具体的な内容も一緒に書き添えます。
慎重さは長所にも短所にもなりますが、書き方次第ではお子さんの良さをしっかりと伝えることができます。言葉の言い回しなどをよく考えた上でお書きください。
幼稚園受験の願書で、短所を書く時のポイント
短所を記入する際、絶対にやってはいけないことがあります。それは、短所を書きっぱなしにすることです。よく、「短所はできるだけさらっと流していただけるように、一言だけで記入しました」という方がいますが、これは「短所をわかっているのに改善しない親」と思われる危険性もあります。ここでは、よくある短所の書き方を見ていきましょう。
我が強いことが短所の場合
我が強いという短所は、協調性や人間関係の構築が重要な幼稚園でやや敬遠されがちです。そのため、文章の書き方に気をつけてください。
具体的には、「短所は我が強いことです。」と直接書くのではなく、「芯が強い故に、主張が強くなってしまうこともあります。」などと良い面も付け加えましょう。その後には必ず、「日頃から周りの意見も尊重するように伝え、家庭内でも話し合いの癖をつけております。最近では自分の意見を伝えて押し通すのではなく、兄弟の話も聞きながらより良い答えを一緒に考えようと努力する姿が増えてまいりました。」といった、改善のための取り組みと現在の様子も書いてください。
恥ずかしがり屋が短所の場合
恥ずかしがり屋なお子さんは、考査や面接でも緊張して十分に力を発揮できない場合があります。こういった短所は、事前に願書で書いておくこともおすすめです。ただし、「考査でもご配慮を・・・」などとは絶対に書かないでください。
勿論、改善のための取り組みは具体的に書きましょう。「毎週違う公園へ行き、近くで遊んでいるご家族には私共が必ず挨拶する姿を見せております。そのため、少しずつ娘も自分から挨拶をするようになりました。」といった、成長を感じさせる内容であると良いですね。
頑固なことが短所の場合
短所に頑固さを挙げる場合、我が強いことと同じく言葉を変えること、良い面も一言入れておくことを心掛けましょう。
「自分の意見をはっきりと伝えられる反面、やや頑固な面もございます。そのため、時には我慢も必要であることや、周りの気持ちを考えて行動することを教えております。」などと躾の方針にさらっと触れるのも良いですね。
甘えん坊なことが短所の場合
月齢によっては、「うちはまだまだ赤ちゃんで・・・」とお悩みのご家庭も多い年代ですよね。幼稚園受験を目指すご家庭のお子さんだからといって、すでに親離れが出来るとは限りません。
園の方針にもよるため、ある程度の親離れが出来ていることを求める幼稚園の場合にこの短所はあまりおすすめできません。その点に寛容な幼稚園であれば、「◯月生まれのためか同年代に比べるとやや幼いようにも感じます。自立に向けて家庭では、自分のことは自分で行えるよう日々挑戦しております。」などと、現在の様子や取り組みを伝えられれば大丈夫です。
落ち着きがないことが短所の場合
落ち着きがない短所については、考査や面接でも影響があるために願書で事前に知らせておきたいと考えるご家庭も多くあります。こちらも、ご家庭での取り組みがしっかりと書かれていること、少しずつ改善していることを伝えてください。
例えば「活動的な面が強く、緊張する場面では落ち着きがなくなってしまうこともあります。」などと、どういう場面で落ち着きがなくなるのかを書くのも良いですね。よりお子さんを客観的に理解していることがわかります。家庭での取り組みから、「少しずつ周りに合わせて行動しようとできるようになったため、今後も継続して・・・」と引き続き支援していくことを書きましょう。
飽きっぽいことが短所の場合
飽きっぽいということは、言い換えれば色々なことへ興味を持つことのできる「好奇心旺盛な子ども」でもあります。長所と短所は表裏一体ですから、長所にも上手く絡めながらの記入がおすすめです。
「好奇心旺盛な反面、一つのことに時間を掛けて取り組む力がまだありません。そのため、まずは特に熱中できることを見つけて深掘りできるよう、体験の機会を増やすようにしております。」「興味を持ったことについて集中して取り組めるように、家族で博物館へ足を運ぶなど、楽しみながら学べる機会も作っております。」などといった、飽きさせない工夫をしていることを書いてください。
マイペースなことが短所の場合
マイペースなお子さんは、周りに流されず行動できること、穏やかさなどの長所にもなりますね。集団の中では輪を乱さないような行動ができるよう、支援していることをアピールする必要があるでしょう。
志願する幼稚園にプレや親子教室があれば、ぜひ参加しておくこともおすすめです。その上で、「一人っ子が故のマイペースさがございます。そのため少しでも集団生活に慣れて欲しいと、貴園の2歳児教室にも参加させていただきました。先生方のおかげで、お片付けの時間には周りを見て一緒に動くことができるなど、少しずつ成長しております。」などと書くことが良いでしょう。勿論志願園でなくても良いので、集団の中での様子について触れられると園側にも安心していただけますよ。
癇癪を起こすことが短所の場合
幼いお子さんの中には、感情が爆発してしまいたびたび癇癪を起こす方もいるでしょう。しかし、癇癪について肯定的に受け止めてくださる幼稚園は多くありません。そのため、「癇癪がひどい点が短所です」などと、直接的に書くのはNGです。
「幼さ故に、感情が高ぶってしまうこともございます。」などと言葉を濁した上で、「家庭では気持ちが高まったとき、まずは深呼吸して自分で心を落ち着かせてからお話をするよう根気強く取り組んでおります。」などと、具体的な改善方法も書いてください。お子さんに少しずつ改善の兆しが見えているのなら、それについても触れましょう。
【幼稚園受験願書】 長所・短所の書き方をプロが解説まとめ
お受験が必要な幼稚園の願書で多い、長所と短所の書き方をご紹介しました。ぜひ幼稚園受験願書の参考にして、エピソードが足りない場合にはご家族で話し合いの上早めの行動を心がけましょう。
もしも幼稚園受験願書でお悩みの場合には、プロによる願書作成代行にお任せください。長所短所についてお悩みの方にも、丁寧なヒアリングからお子さまの良さを把握し、志願する幼稚園に合った願書を作成いたします。作成者は毎年、都内の御三家幼稚園をはじめ多くの名門幼稚園の合格願書を手掛けてきました。まずはお気軽にご相談くださいね。