小学校受験の『数量問題』全然ダメ・・
親も小学校受験特有の解き方や対策がわからないから知りたい!
小学校受験で数量問題は頻繁に出題されています。数量問題では、足し算や引き算の問題、量を比較する問題、割り算の問題など小学校へ入学した後に習う分野が幼児でも理解できる形で出題されています。つまり事前にしっかり対策をしておかないとなかなか高得点を取ることが難しい問題と言えるでしょう。そこで今回は数量問題の解き方と対策について、小学校受験のプロが解説していきます。数量問題はしっかり対策をすれば得点源に出来ます。ぜひご一読ください。
小学校受験で出題される数量問題はどんな風に出題される?
小学校受験で、数量問題はどのような形で出題されるのでしょうか?具体的な例題を交えながら解説していきますね。
足し算や引き算問題
足し算や引き算など、数の増減に関する問題です。
例えば、「公園に男の子が7人います。2人帰ったあとに3人やってきました。今、公園には何人いるでしょうか?」のような問題です。大人であれば「7-2+3=8」だから「8人」とすぐに答えを導けますが、幼児にとっては難しい問題です。
この問題の難しいところは、「帰った=数を減らす」、「やってきた=数を増やす」ということにまずは気づくことです。これが分からなければ、数の増減の操作は出来ません。
量を比較する問題
続いては、数の違いに着目する問題です。
例えば、「男の子はアメを5個持っています。女の子はアメを3個持っています。男の子は女の子よりもアメを何個多く持っていますか?」のような問題です。
数を比較するということは、数字の順序を理解していなければ解けません。
つまり「5は3よりも大きい数」ということを理解しておかなければならないのです。数理問題が解けるようになるために、まずは数の順序を教えていきましょう。
割り算の問題
割り算というと難しく聞こえますが、要するに「数の分配」のことです。
例えば、「リンゴが9個あります。3人の男の子に同じ数ずつになるように分けると、1人分はいくつになりますか?」のような問題です。
大人であれば「9÷3=3」だから「3個」とすぐに答えを導けますが、幼児は割り算を知らないため他の方法で解くしかありません。この問題で一番大切なポイントは聞き取り段階で問題文をしっかり理解することです。
問題を聞きながらリンゴを9個思い浮かべて、3人の男の子をイメージできればそれほど難しい問題ではありません。小学校受験では口頭で問題が発問されるので、まずは集中して問題文を聞き取れる力を身につけていきましょう。
小学校受験で数量問題を解くために必要な力
数量問題が解けるようになるためには3つの力が必要です。小学校に入学した後もとても大切な力ですので、今のうちからしっかり身につけていきましょう。
数を数える力
数量問題を解くためには数を順序通りに理解していなければ解けません。
数量問題の基本は数の大小を比べることだからです。例えば引き算の問題では、数の大きい方から小さい方を引かなければなりません。
この時に数の大小が分かっていなければどちらの数からどちらの数を引けば良いのかわからないですよね。
このため数量問題を解くためにまずは数を順序通りに理解させるようにしてください。数が「言える」と「数えられる」は同じようで異なります。また数える時に同じものを2回カウントしないように気をつけることも教えてくださいね。
問題を正しく理解する力
数量問題では発問される問題を正しく理解出来なければ解けません。
数量問題は複雑かつ長い問題文で問われることが多いからです。
例えば、「男の子と女の子がビー玉を5個ずつ持っています。男の子が女の子にビー玉を1個あげると、ビー玉の違いはいくつですか?」という問題があるとします。
お話をきちんと聞いていないお子様は「一個あげるから4個だ」と適当に答えてしまいます。
ビー玉をあげた後に男の子と女の子の数がいくつになって、その数の違いがいくつになるのか、という2段階で考える問題ですのでかなり難しい問題ですが、きちんとお話の聞けるお子様は解けます。
はじめのうちはゆっくり丁寧に順を追って理解するようにしていけば必ず解けるようになります。数量問題は問題を正しく理解する力をまずは身につけるように心がけましょう。
思考力
数量問題は考えながら解かないと解けません。
問題を聞いたときに、足さないといけないのか、引かないといけないのか、または分けないといけないのか、を瞬時に理解しないと解けないからですね。
また数を数えるときに、「印をつけながら数えた方が間違えないな」などを瞬時に判断する力も必要です。
数量問題は丁寧に数を操作していけば必ず解けますので、どんな数の操作をしないといけないのか、間違えないためにはどう工夫すれば良いのか、といった点を親御様からお子様へお伝えするようにして取り組んでみてください。
小学校受験で数量問題を解くために家庭でできること
数量問題はなにも机の上だけでしか取り組めないものではありません。普段の生活の中でも数量問題に関する取り組みはできます。ご家庭でも取り組める方法をご紹介していきます。
お手伝いのなかで取り組む
まずはお手伝いのなかで数量に関する取り組みをしてみましょう。
例えば5人家族の場合、テーブルにあえてコップを3個置いておきます。そしてお子様に「足りないコップを持ってきてくれるかな?」とお手伝いをお願いしてみましょう。
またはアメを10個渡して、「みんなが同じ数になるように分けてね」というやり方でも良いでしょう。
お手伝いをしてもらうときに、数量問題に関する取り組みはいくらでも思いつきますよね。お手伝いをしてもらう事で、数量問題の練習になるだけではなく、願書のネタにもなりますので、一石二鳥です。数量問題は普段の生活の中で体験的に学ばせていきましょう。
お風呂で数を覚える
数がまだよく理解出来ていないお子様は、お風呂でリラックスしているときに数を覚えるようにしていきましょう。
まずは親子で1から10までカウントしてみます。
慣れてきたら「30秒湯船に浸かったらあがろうか」と言って30秒数えてもらう方法でも良いでしょう。正しく数を言えると正しく数を数えることが出来ますので、声に出して正しく言えるかどうかを確認してみてください。
数は頭で考えながら数えるのではなく、何も考えなくてもスラスラ言えるレベルまで取り組みを続けてくださいね。
具体物を使ってゲーム感覚で取り組む
数量問題を教える場合、おはじきを使って練習すると良いでしょう。
例えば、テーブルにおはじきを15個準備します。「5人で同じ数になるように分けると1人何個になるかな?」と質問をして、実際に分けさせてみましょう。
はじめのうちはゆっくり丁寧に教えてあげてください。具体物を使ってゲーム感覚で取り組めばお子様も楽しく学ぶことが出来ますよ。
小学校受験で数量問題を解くために遊んでおきたい知育玩具
数量問題が解けるようになるためには具体物を使った理解が効果的です。ゲーム感覚で取り組めて、知育に使える玩具をご紹介致します。
おはじき
まずは定番のおはじきです。おはじきはガラス製よりもプラスチック製で真ん中に穴の空いたドーナツ型のおはじきを用意しましょう。
軽くてお子様でも扱いやすいからです。
またおはじきは数を数えること以外に真ん中に空いた穴に紐を通せば、巧緻性の練習も出来ます。数理問題を理解しやすくするためにまずはおはじきを用意しましょう。
100玉そろばん
100玉そろばんとは100個の玉で構成されたそろばんのことです。
10個のそろばん玉が10段あります。100玉そろばんは、1から10の数を数えることや10の玉を3と7に分けるなど数の操作がお子様でも扱いやすいように出来ており、視覚的に数の増減や分配を理解出来ます。
また玉を触ることで手先の発達を促す効果もあり脳の活性化に効果があるといわれています。100玉そろばんは小学校受験の対策だけではなく幼少期の知育にも最適ですよ。
トランプ
トランプを使ってゲーム感覚で数を覚えていく方法もオススメです。
お子様でも取り組みやすいトランプゲームとしては、神経衰弱や七並べです。
神経衰弱は記憶力の向上も期待出来るのでおすすめです。七並べは数の順序を覚える練習になります。トランプ遊びは家族みんなで楽しく行えるので、お子様も自然と数を数えたり覚えたり出来ますよ。
そろばん
そろばんをしているお子様は、数量問題が難なく解ける傾向にあります。
実際、私も息子そろばんをさせていて、数量問題で間違えたことは一度もないです。
ですが、そろばんは週に数回通わないといけない教室がほとんどで、小学校受験をするお子様にはハードルが高い・・
オンラインで行えるそろばんなら、自宅でできるので良いですよ!
小学校受験で出題される数量問題の教え方と解き方
いくつか例題を挙げて解説してきましたが、ここではより具体的に数量問題の教え方と解き方について解説していきます。
数の構成
まずは基本となる数の構成からです。
数の構成とは例えば、「10は3と7から出来ている」、「8は2と6からできている」など数を操作する上で知っておかなければならない基本です。
最終的には暗算出来ることを目指しますが、最初は具体物を使った理解が求められます。数の構成を理解するためには繰り返しの練習が必要です。
日常生活における数の原体験の機会も増やしてあげてください。お皿を人数分並べる事でも良いですし、おかずを家族で均等になるように分けさせるでも良いです。日常生活にはたくさんの数の原体験をする機会がありますので、意識的に取り組んでみてください。
数の比較
次に数の比較です。数を比較するためには当たり前ですが、数の順序が理解出来ていないと解けません。
「6は3より大きい」、「4は7より小さい」ということを理解する必要があります。
こちらも具体物を使います。
例えば、おはじきで7個のグループと5個のグループを作ります。それぞれのグループから一つずつ並べていくと7個のグループは2個おはじきが余りますよね。
つまり7は5より2大きいということがこれで理解できます。このように具体物を使って繰り返し練習することで少しずつ数の比較が出来るようになります。
数の増減
最後に数の増減です。こちらもやはり具体物と原体験が大切です。
家族が5人いて、「アメが3個しかないけど、あと何個必要かな?」などの原体験ですね。数の増減では、数の変化を体験させることですが、数の構成が理解出来ていれば簡単です。
先ほどのアメの例でも、「5は3と2で出来ている」ことが分かっていれば答えはすぐに導けます。数量はいきなり足し算や引き算をするのではなく順序立てて理解していくことが結局は一番早道です。
もし数の構成が理解出来ていないと感じているなら数の比較や増減はいったんおいておいて数の構成がしっかり出来るようになるまで取り組みましょう。焦りは禁物です。
【小学校受験】数量問題の解き方と対策をプロが解説まとめ
小学校受験の数量問題は多くの小学校で出題されています。昔から「読み書きそろばん」といわれますが、そろばんに当たる数量問題は大切なことなのです。小学校受験の数量問題では足し算や引き算の力を見ているわけではありません。問題をきちんと聞いて、問われていることを理解して、考えて解く過程を見ているのです。小学校受験の問題で求められている本質はすべて同じです。生活していく上で大切な数の操作を理解できるように、親御様も諦めずに取り組んでいってくださいね。