この前、お受験するママ友に、「身上書はもう書いた?」って言われたんだけど、
「身上書」が何か分からなくて焦ったわ・・・
身上書って何なのか教えて!
幼稚園受験や小学校受験では、身上書という言葉を聞くことがあります。
身上書とは、いわば「履歴書」のようなものですが、普段の生活ではまず耳にしない言葉ですので、知らない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、オーダーメイド願書作成も行う幼稚園受験や小学校受験のプロが、身上書について解説します。
願書作成だけではなく、身上書もお作りしておりますので、お気軽にご相談ください。
小学校受験で提出する身上書とは?
身上書とは、「履歴書のようなもの」と説明しましたが、「それなら願書があるのでは?」と思った方もいるのではないでしょうか。
しかし、身上書と願書は全く用途が異なります。
願書は面接や入試選考に活用される書類であるのに対して、身上書は幼児教室に入るため、あるいは受験校にお子さんやご両親の身分を証明するために使われる書類です。
まず、幼児教室の入塾に際して、身上書を提出することがあります。
例えば、紹介制の幼児教室では、紹介者を通じて「身上書」を提出することで、両親の最終学歴や卒業した小学校、就職先、家族構成などがチェックされて、入室できるかどうかが決まることもあります。
紹介制の幼児教室は、著名人のご子息・ご息女が通われていることがあるので、身分証明として必要なのでしょう。
また、紹介制ではない大手の幼児教室でも、入会申込書に両親の職業や家族構成などを記入するところが多く、これが実質身上書の代わりになっていると考えられます。
ご両親やお兄さん・お姉さんが系列の学校に通われている場合、受験が有利になることがあるため、幼児教室は家庭状況をチェックしたいから書かせるわけですね。
次に、小学校受験に際して身上書を提出する場合は、私立小学校へのコネとして使われます。
一般には「子どもの入試の合否に親の職業や学歴、学校関係者の有無は関係ない」という考え方が広がり、以前のように願書に親の職業や学歴、学校関係者を記入させる学校も少なくなりました。
しかし、「学費が払えるのか」「親が子供をサポートできるか」「どのような素性の親なのか」などの情報は、学校側が把握できていたら、そのご家庭の合格を出す時の安心材料になります。
また、志願者側からしても、子どもの受験が有利になるのであれば、それらの情報を積極的に伝えておくのが望ましいでしょう。
そのため、私立小学校のコネとして、身上書を提出することがあります。
ただし、必ずしも身上書を書く必要はないことに注意してください。
まず、紹介制の幼児教室に入りたくても、全くのコネがない場合は身上書を書いても意味がありません。
また、国立小学校を受験する場合も、身上書は不要です。
そもそも、抽選がある国立小学校であれば、身上書が全く意味を持ちませんからね。
小学校に身上書を提出するかどうか判断できない場合は、受験のプロに相談するのが良いでしょう。
成城学園小学校の身上書については、こちらで詳しく解説しています。
身上書は誰が書いて誰に渡す?
身上書は、父親か母親が書くのが一般的です。
どちらが書くべきという決まりはないので、字が上手な方が書けば良いでしょう。
幼児教室に提出する場合は教室長(塾長)に、小学校に提出する場合は学校長(校長先生)に渡してください。
もし、紹介者や仲介者がいる場合は、その方を通して渡すことになります。
一方で、紹介者や仲介者がいない場合は、保護者が渡さなくてはなりません。
学校長と面識がない場合、学校長に直接身上書を渡すのはハードルが高いと感じる方もいると思います。
もし、「事前相談会」などの形で学校長と面談する機会があれば、そこで渡すのが良いでしょう。
また、学校説明会や入試説明会、オープンスクールなども身上書を渡すことができる機会ですが、身上書は願書と同じ時期に提出することが多い書類ですので、渡す時期にも注意しましょう。
なお、これが一番注意していただきたいことなのですが、「身上書の提出を求めている小学校はない」ということです。
つまり、学校説明会などで学校長にお会いした場面で、「身上書です」と渡そうとしても、受け取ってもらえない可能性が存分にあるわけですね。
また、元々コネのないご家庭の場合は、身上書を渡しても全く意味のない書類になってしまうこともあります。
「無駄になるかもしれないけど、何かのご縁を得るきっかけになるかもしれない」という前向きな気持ちで身上書の作成に取り組むことができると良いですね。
写真は必要?
そもそも、身上書は決まった書き方がありません。
そのため、写真を添えるかどうかも自由です。
ただ、写真を添えた方が相手の印象に残りますので、どうするか迷ったら写真を添えるのが良いでしょう。
小学校受験で提出する身上書の書き方に関するポイント
先述の通り、身上書に決まった書き方はありませんので、こちらでご紹介するのは一般的なひとつの形式になります。
幼児教室の先生によっては違う書き方を指導する方もいらっしゃると思いますが、参考になれば幸いです。
横書き縦書きどちらでも可・手書きで書く
身上書は、縦に使う便箋、横に使う便箋、縦に罫線が入っている便箋、フリーの便箋など、様々な種類が発売されています。
身上書は、横書きでも縦書きでも問題ありませんが、願書に合わせて横書きにするのも良いでしょう。
身上書には書き方見本がセットになっているものもあり、多くは縦書きで書かれています。
そのため、見本に合わせて縦書きで書くと書きやすいでしょう。
また、手書きであることは必須で、万年筆を使うのが一般的です。
達筆さよりも読みやすさを意識して、楷書で丁寧に書くようにしてください。
お子様の事は、褒めすぎず否定しすぎずに書く
身上書には、お子様の様子や性格を記入します。
願書に「お子様の長所と短所」などを記入する場合、同じような内容にしておくのがおすすめです。
合格して欲しいからといって子どもをあまり褒めてしまうと、信憑性が薄く感じられたり、客観的な判断ができない保護者という印象を与えてしまいかねません。
反対に、否定しすぎるのもNGです。
お子様を入学させるための書類なのに、否定しすぎたら意味がありませんよね。
お子様の事を書く時は、誇張しすぎず、謙遜しすぎず、長所を少し多めにして正しい情報を書くようにしましょう。
書き方・言い回しも重要ポイント!
学校長に、まだ面識もない子どものことを書面で伝えるわけですから、お子様の様子がありありと想像できるように記入するのがポイントです。
なるべく平易な言葉を用いて、お子様の良さが目に浮かぶような表現を心がけましょう。
具体的なエピソードを交えるのも良いですね。
例えば、「優しい子です。」だと伝わりにくいので、「お友達が喜んでいたら一緒に喜び、お友達が泣いていたら一緒に涙を流すような優しさがあります。」や「お友達におもちゃを譲ったり、家庭でも進んでお手伝いをしたりするなど、相手に喜んでもらえることを率先してできる子です。」などの表現を使いましょう。
短所を書く場合も、「集中力がありません。」とストレートに書くより、「様々なことに興味を示す反面、集中力に欠けるところもあります。」などの言い回しを使うと印象が悪くなりませんよ。
ただし、身上書は長々と書くような書類ではないので、端的な表現にすることも大切になります。
小学校受験で提出する身上書の書き方
ここからは、具体的な書き方について解説していきます。
身上書に記入する主な内容は、次の項目です。
- 志願者情報
- 保護者情報
- 志願理由
- その他、受験に有利になる情報
便箋1枚目の書き方
1枚目は、「身上書」とタイトルをつけた上で、志願者情報を記載します。
- 氏名・ふりがな
- 生年月日
- 住所(本籍と現住所が異なる場合は両方)
- 電話番号(自宅の固定電話か父親のケータイ)
- 通っている幼稚園・保育園の名前
- お子様の性格
- その他
「その他」には、もし幼児教室とコネがある小学校なら、通っている教室名などを書くのが良いでしょう。
便箋2枚目の書き方
2枚目には、志願理由を記載します。
ここに記入する内容は、願書に記入する内容や、面接で話す予定の内容と整合性が取れるように気を付けましょう。
便箋3枚目の書き方
3枚目には、父親の情報を記載します。
記入する内容は、
- 父親の氏名・ふりがな
- 生年月日
- 職業・勤務先
- 学歴
- その他
受験校を卒業している場合、「学歴」には、小学校からの学歴を書くのが良いでしょう。
「その他」には、受験に有利になるような内容を書くと良いです。
例えば、宗教系の学校でその宗教に入信している場合、学校関係者にあたる場合などがそれに当たります。
便箋4枚目の書き方
4枚目には、母親の情報を記載します。
記入する内容は、父親と同様です。
専業主婦の場合、職業欄には「専業主婦」でも良いですし、わざわざ記入しなくても良いでしょう。
便箋5枚目の書き方
その他の家族の状況について記載します。
例えば、お兄さん・お姉さんが同じ学校に通っている、祖父母が卒業生であるなど、やはり受験に有利になる情報を書くようにしてください。
もしその他の家族について特段記載することがない場合は、ご家庭の様子を記入するのが良いでしょう。
封筒の書き方
封筒には、毛筆や筆ペンを用いて「身上書」と記入します。
仲介者や紹介者を介して渡す場合は、その方も内容を確認できるように、封はしなくて大丈夫です。
保護者が直接手渡しする場合は、その場で読むことを前提としないわけですから、封をしても問題はないでしょう。
写真の選び方
身上書に添える写真は、正装をした家族写真を選びましょう。
願書の提出時に家族写真が必要になるような学校だと、同じ写真でも構いません。
身上書を書く頃には、願書の写真も撮影している頃だと思いますから、写真館などで撮影したきちんとした写真が良いでしょう。
身上書は、家族の身の上を保証する意味がある書類ですので、お子様個人の写真ではなく、家族写真を選ぶようにしてください。
小学校受験で身上書を提出する際に使いたい便箋用紙と封筒
身上書を書く便箋や封筒に決まりはありませんが、シンプルで品のあるものを選びましょう。
なお、身上書の便箋は「釣書」という名前で販売されていることもありますが、呼び方が違うだけで同じものです。
用紙(便箋)
小学校受験で身上書を書く場合、東京の受験界隈では「鳩居堂(きゅうきょどう)の身上書」を使用するのが定番になっています。
鳩居堂は、銀座にある老舗の書画用品店であり、身上書としては品格の高い用紙です。
必ずしも鳩居堂の身上書を使う必要はありませんが、和紙でできている用紙、シンプルな用紙であると、品があって良いでしょう。
封筒
便箋とセットになった封筒を使うと、統一感が出て良いですね。
封筒は、郵便番号枠のないもので、白い封筒にしましょう。
また、中身が透けてしまうようなタイプは相応しくありませんので、注意してください。
小学校受験で身上書の書き方が合格を左右する理由
身上書を学校長に提出したからといって、それで合格が確約されるものではありません。
しかし、身上書が合否を左右する可能性は否定できません。
例えば、入試で同じような成績のお子さんがいたとして、一方は紹介者がいて身元が保証されているご家庭、もう一方は面接でしか話をしたことがないご家庭があったとしましょう。
あなたが学校の先生なら、どちらのご家庭のお子さんに入学して欲しいと考えるでしょうか。
当然、前者のご家庭ですよね。
お子さんが合格ライン前後の時に、身上書はお守りの役割を果たしてくれますよ。
ただし、身上書がしっかりとかけていなければそれも逆効果です。
「しっかりした身上書を書きたい」と思っても、「身上書を一度も書いたことない」という方がほとんどではないでしょうか。
そんな時は、受験のプロである私にお任せください。
私の提供している「小学校受験願書作成」では、身上書の作成も承っております。
お子さんのご様子などをヒアリングしながら、ご家庭の魅力が伝わる身上書を作成しますので、ぜひ受験のプロである私にご依頼ください。
願書も身上書もしっかりと作成することで合格のチャンスを掴むことができます。
お勉強をがんばっているお子様のためにも、保護者ができる限りのサポートをしてあげてくださいね。