小学校受験の願書に親の学歴って必要?
親の学歴で落ちることってある?
小学校受験を考えるご家庭の中で、「親の学歴がネックになるのでは。」という悩みを持つ方は少なくありません。
近年、小学校受験の願書では両親の学歴について指定があり、記入させる書類は減少傾向にあります。
親御さんの学歴ではなく、志願者であるお子さん自身の個性や素質、思考力に目を向ける学校がほとんどです。
しかし、一方で願書には「家族欄」といわれる両親や同居家族に関する情報を記入する欄が現在でも多くの学校に存在しています。
では、親の学歴は小学校受験においてまったく関係がないのでしょうか。また、学歴に自信がなかったり知らせたくない場合、願書の記入はどうしたら良いのでしょうか。
本記事では、オーダーメイド願書作成で高い合格実績を誇る小学校受験のプロが、小学校受験での親の学歴について正直に解説します。
小学校受験で親の学歴は関係ない?
正直にお答えします。
小学校受験で親の学歴は、ほとんど関係ありません。
小学校受験で行われる試験は、「ペーパーテスト」「行動観察」といった志願者個人に焦点をあて、その子ども自身の能力や個性を図るものです。
ペーパーテストでは思考力や先生の話をきちんと聞き理解できるか、行動観察ではお友達と協力しながら何かを成し遂げたり、集団の中でのその子の在り方や人との関わり方を試験官に見られています。
志願者自身を観察する際、親の学歴や細かい情報は関係ありません。
また、面接では志願者と家族の受け答えを通して、基本的な礼儀が備わっているのか、小学校生活をより円滑に過ごすために教師と協力する意思はあるのかを観察されています。
質疑の中では、各家庭での教育方針や日々の生活について問われることがあります。
しかしながら、それは家庭での教育方針と学校の目指す生徒像や方針との間に大きな差異がないかを知るためのものであって、親御さんの学歴が重要になることはありません。
極論を言えば、両親ともに中学校卒業までの学歴であったとしても、きちんとした教育環境で学校の定めた試験内容をパスし、礼儀や態度が身についており、志願する学校の目指す教育に合致すると判断されれば合格することは可能です。
小学校受験の願書や面接で親の学歴を書く理由
先に述べたように、近年では「親の学歴を書いてください」と指定された願書は減少傾向にあります。
家族について書く欄は、自由記述であることがほとんどです。
稀に「アンケート」という名目で、両親の学歴や職歴を書く紙が配布されることがあります。
その場合、素直に学歴を書いても高卒や中卒だからといって弾かれることはありません。
しかし、多くの受験対策塾では、「自由記述」である家族欄には学歴と職歴を大まかに書くことを推奨するでしょう。
願書に家族欄がある理由は、経済面で小学校六年間(あるいはそれ以上)の学費を払うことができるのか知りたいという学校側の思惑があります。
また、例えばキリスト系の教育を行う小学校であれば、両親の出身校が同じキリスト教の教育を行っているのであれば、「両親ともに宗教教育に理解があるだろう。」と学校側が判断することができます。
両親どちらかが志願先の学校の卒業生であれば、同じように学校側が「基本的な教育方針や親の関わり方を理解してくれているだろう。」という判断で好印象です。
そういった、「プラスαの情報」が家族欄や親の学歴から読み取ることができます。そのため、家族に関する記述欄を設けた願書は現在でも多く残っています。
しかし、それはあくまで「プラスαの情報」ですから、親の学歴が子供の受験結果に大きく関わることは近年ではほとんどありません。
むしろ、親の学歴で子供の性質まで判断するのは、人権的な観点からもタブー視されるようになってきています。
小学校受験の親の学歴を書く欄はどこ?
多くは願書の「家族欄」に記入します。しかし、今まで述べてきたように「学歴を記入するように」という指定がある場合は殆どなく、基本的には自由記述です。
家族欄には、大まかな学歴と現在の勤務先を書きます。家族についての記入欄はごく小さな枠が設けられている場合が多いので、
父:〇〇大学卒業 △△勤務
母:〇〇大学卒業 △△勤務を経て育児休業中
といったような簡単なもので大丈夫です。
私立の小学校出身であれば小学校から書くと、私立(国立)小学校への理解があることがわかります。
記入欄に余裕があれば、家庭での教育方針や家族での取り組み(家族ボランティアや家族で行っている趣味など)を書いても良いでしょう。もしも両親どちらかが志願先の学校の出身者であれば、必ず記入してください。
両親の学歴だけで落とされることは基本的にはありませんので、素直に記入しましょう。虚偽の申告は不利になるばかりか、最悪合格取り消しもあり得ます。
小学校受験で親の学歴を書いた方が良い場合
小学校受験の願書に家族欄があり、学歴を書いた方が良い場合は以下の例が挙げられます。
- 親が志望する小学校の卒業生である場合
- 極めて優秀な学校を卒業した場合
卒業生である場合については後述します。
優秀な学校(偏差値や知名度の高い学校・海外の学校)を卒業した場合については印象も良いので、記入すると良いでしょう。
しかし、ただ学歴を記入するだけでなく、その学校で学んだことがお子さんの教育方針にどのように影響したのかがわかるとより覚えめでたくなります。
繰り返しになりますが、親の学歴と試験内容についてはほとんど関係ありません。特に家族に関する記述欄がなければ、無理に書き込む必要はありません。
また、願書とは別にアンケートという形で両親の学歴に関して記述する場合があります。そのような時は、素直に記入してください。
親が小学校の出身校
親が卒業生であれば、その学校の教育方針やPTAなどの親が参加する行事などへの理解が深いことが伝わるため、優位に働きます。
また、在学中に指導を受けた教員がまだ現役である場合も好印象でしょう。そのため、親の出身校を子供が受験する場合は必ず記入しておく必要があります。
願書に家族や学歴について記入する欄がなかったとしても、志望理由などで卒業生であることは触れた方が良いでしょう。
書かない方が良いケース
中途退学した学校は書かなくて結構です。親の学校名で子供が落とされるといったケースは基本的にはありませんが、どうしても書きたくない理由があれば、願書に学歴の指定がなければ書かなくても結構です。
しかし、面接時に出身校を聞かれる場合もありますので受け答え内容だけは考えておいたほうが良いでしょう。
最後に
小学校受験において、親の学歴はほとんど関係ありません。
しかし、親の出身校はその過程の教育方針や大まかな環境を推測する一つの指針にはなり得ます。書きたくないものを無理に記入する必要はありませんが、そうではない場合記入しておくのが無難でしょう。
小学校入試では、志願者本人の性質や家庭の教育方針、礼儀や学校への教育姿勢を総合的に判断します。学歴に不安があるご家庭でも、きちんとした教育環境があり受け答えができれば印象が悪くなることはありません。ぜひ安心して、小学校受験に挑んでください。