小学校受験で『のり』って出てくるみたいだけど、正しい使い方ってあるの?
小学校受験本番では、どんな『のり』を使うの?
小学校受験ではペーパーや運動以外に制作課題がよく出題されています。
制作は「巧緻性」と呼ばれる手先や指先の器用さを見る内容となっており「切る・ちぎる・貼る・折る・結ぶ・たたむ」などが行えるかをチェックしています。
制作で「貼る」といえば「のり」を思い浮かべると思いますが、「のり」と一言で言っても、その種類も多くまた使い方の注意点も異なります。
そこで今回は小学校受験で使用する「のり」の種類と使い方をプロが解説していきます。どのようなタイプの「のり」が出ても使いこなせるようにしておきましょう。
小学校受験で使用するのりの種類と注意点
小学校受験で使用する「のり」は主に4種類です。
それぞれの「のり」で使い方や注意すべき点が異なります。
今まで使用したこともない「のり」もあると思いますが、試験本番で初めて見ることは避けなければなりません。
試験本番でどの「のり」が用意されているかわかりませんので、一通り触れておくことをおすすめします。
スティックのり
自宅で使用している「のり」と言えば、スティックのりを思い浮かべる方も多いはずです。
スティックのりの特徴と言えば、口紅のような「繰り出し式」になっていることですよね。
繰り出し式は手が汚れずに扱いやすい反面、お子様にとっては適切な量を繰り出すことが難しいです。
出しすぎると折れてしまうので、適切な量がどの程度なのかは最初に教えていきましょう。
お子様によく見られる使い方が「スティックのりを紙に対してまっすぐに使用する」ことです。
これだと塗り残しが多くなってしまいます。
そこで、スティックのりを鉛筆のように持って斜めに塗ることを教えてください。
そうすれば紙にあたる部分が細くなり、端などもきれいに塗ることができます。
スティックのりは広範囲を一度に塗ることに適していません。
「のり」の中の水分量が少なく、塗っている間に乾いてしまうからです。
接着力も弱いのでしっかり塗るためには2度、3度繰り返して塗るようにしていきましょう。
液体のり
続いては液体のりです。
液体のりの特徴はボトルを押す力でのりの出る量が調節できる点です。
裏を返せばボトルを強く握って塗ってしまうとのりが多く出てしまうので、この調節がお子様にとってはかなり難しいですね。
液体のりは水分量が多いので、いっぱい塗ってしまうと乾くのに時間がかかり、また紙がシワになるので見た目も良くありません。
まずお子様にどのぐらいの強さでボトルを握ればどのぐらいの量が出るのかを体感させてください。
そしてその量で塗ったときにどのぐらいの時間で乾くのか、どのぐらい紙がシワになるのかを見せてあげましょう。
液体のりを上手に使うコツは、とにかく一度に多くの量を塗らないことです。
貼るときは空気を逃しながら端から少しずつ貼ればシワになりにくくなります。繰り返し練習をしていきましょう。
でんぷんのり(壺のり)
次にでんぷんのり(壺のり)です。
最近ではあまり使われなくなった印象ですが、小学校受験では使用されています。
でんぷんのりは食物原料のでんぷんから作られているので、誤って口に入っても安心だからです。
でんぷんのりは壺タイプとチューブタイプがあります。
まずは壺のりタイプのご紹介です。
壺のりの特徴は指でのりを取って直接紙に塗ることです。
直接指にのりが付くため、その後に触れる紙に指がベトベトとついてしまうことがよくありますので注意しましょう。
他の紙に誤ってつけてしまうことを防ぐため、のりを取るときは中指で取るようにしましょう。
中指でのりを取れば人差し指と親指で紙をつかむことが出来るからです。
塗るときのポイントはとにかく薄く伸ばすようにすることです。これは何度も繰り返して経験して覚えるしか方法はありませんので、ご自宅で何度も練習をしていきましょう。
でんぷんのり(チューブ)
最後はチューブタイプのでんぷんのりです。
使い方は壺のりと同じで、直接指にとって紙に塗っていきます。
間違ってもチューブの口からのりを出してそのまま紙に塗るようなことはしてはいけません。
チューブのりは出しすぎてしまうともとには戻せないので、チューブから出す量に注意してください。
使う分だけを出しておくお皿や紙がある場合には使う分だけを絞ってのりを出し、それを指に取って塗っていくこともあります。のりの使い方で一番多い失敗が「のりの出しすぎ」です。どのタイプののりであってものりの量を調節出来るようにしっかりと練習をしておきましょう。
小学校受験でのりを使用する時に気を付けるポイント
小学校受験の課題でのりを使用するときに気を付けておきたいポイントを解説していきます。のりの使い方は一朝一夕では身につきません。何度も繰り返して練習するようにしていきましょう。
のり敷紙を敷く
のりを塗るときは「のり敷紙」を使用するようにしましょう。机の上がのりで汚れないようにするためです。
また紙の端からはみ出したのりが他の紙にくっついてしまわうことを防ぐためです。
のりの塗り方に慣れていないお子様は端までしっかり塗ることが難しく、きれいに貼れたと思っても端がぺらぺらとめくれてしまうことがよくあります。
のり敷紙を使えば、塗りたい紙の端からはみ出しても他の紙にくっつく心配もないですし、端までしっかりのりが付くので貼り付けた後も剥がれません。のりを紙に塗るときはのり敷紙を敷くようにしましょう。
適切なのりの量
のりの使い方で一番気を付けるべき点です。
のりの量が多ければ紙からはみ出したり、シワになったりして見た目が汚くなりますし、少なければしっかり貼ることが出来ずに剥がれてしまいます。
使うのりの種類によって適切な量や塗り方も異なりますので、いろいろな種類ののりを使って繰り返し練習をしていきましょう。
スティックのりは色がついているタイプもあります。塗った範囲や量が色の具合で分かるので、量や塗り方をチェックするために活用してみてください。
置き場所を考える
のりを机の上のどこに置いておくかを考えておきましょう。
なぜなら手がぶつかってよく落としてしまうことがあるからです。
特にスティックのりは注意してください。スティックのりは横に置くと転がるので立てて置くことを教えますが、置く場所も大事です。
特にお子様は使ったらすぐそばに置いてしまいますが、これだと作業中に手が当たって落としてしまいます。
のりを使ったら机の端の方に置くことを教えましょう。
またフタを毎回しめるお子様もいらっしゃいますが、しめる必要はありません。
軽くかぶせておけば次に使う時もすぐにフタが外せるので時短になります。
制作は時間制限があることもあるので素早く作業をこなしていく必要があります。効率的に取り組めるような工夫をしていきましょう。
小学校受験でのりを使用するおすすめの教材
実際に教材を使ってのりを使用する体験をたくさん行っていきましょう。小学校受験の巧緻性の練習におすすめの教材をご紹介いたします。
くもん はじめてのかみこうさく
くもん出版が販売している「くもん はじめてのかみこうさく」ははさみを使ってパーツを切り取り、切り取ったパーツを台紙に貼っていく教材です。初めて工作に触れるにはぴったりの教材です。「切る」、「貼る」に加えて、「並びかえ」の要素も加えて絵を完成させるので、手先の器用さだけではなく、集中力・判断力も養うことが出来る教材です。
こぐま会 ちぎって貼ろう
小学校受験でおなじみのこぐま会が販売している「こぐま会 ちぎって貼ろう」は小学校受験の制作課題で頻出する「ちぎる」そして「貼る」課題用の教材です。
制作課題ではのりを使って貼るだけの作業はなく、「紙をちぎって、ちぎった紙を貼る」こととセットで行われます。
この教材を使って紙を思い通りにちぎること、そしてちぎった紙をきれいに貼ることを練習していきましょう。
理英会 ピクニックボックス
幼児教室の理英会が販売している「理英会 ピクニックボックス基礎編 うみへいこう」は、なかなか家庭では用意できない大型の風景台紙に、線路を繋げて電車を走らせて、魚釣りをして遊ぶことが出来る教材です。
キットとしては基礎的で、小学校受験で問われる巧緻性に関する項目を網羅しており、一通り巧緻性の練習を終えたお子様のお楽しみ教材としても最適です。
【小学校受験】のりの種類と使い方をプロが解説まとめ
小学校受験では、のりで貼る作業は頻出です。
のりは種類によってのりの付け方や量が違います。
これは言葉で教えるよりも実際にのりを使った体験を多くすることで自然と理解できるようになります。
巧緻性の練習はすぐには結果に結びつきません。
何度も繰り返し行うことでだんだんと出来るようになる分野ですので、毎日少しずつでも継続して取り組むようにしていきましょう。
巧緻性の練習はお子様も楽しみながら取り組めるので出来ることをどんどんやらせていきましょう。