小学校受験を検討しているけど、小学校受験に向かない親の特徴ってある?
私は長く小学校受験の指導に携わり、多くのご両親と関わってきました。考査や面接の指導、受験に関する様々な相談に乗る中で、やはり合格する家庭とそうでない家庭には違いがあることも実感しています。
今回は、1000人以上の親を見てきたからこそ、小学校受験に向かないと感じる親の特徴をご紹介します。ぜひ最後まで御覧ください。
小学校受験に向かない親の特徴
小学校受験に向かないな、と講師として思う特徴は、大きく分けると4つあります。その特徴を、一つ一つ詳しく見ていきましょう。
生活習慣がだらしのない親
共働きのご家庭や、兄弟児が多くおられるご家庭にありがちですが、実は小学校受験において最も重要なうちの一つです。起床や就寝、食事の時間が決まっていない、お手伝いの習慣もバラバラといった、生活習慣にだらしなさが垣間見えるご家庭は、はっきり申し上げると受験には不向きです。
小学校受験の対策が始まると、普段の生活に加えて家庭でもやらねばならないタスクが増えます。その際、生活習慣がしっかりと固定されているご家庭はスケジューリングが上手く、お子さんのストレスも最小限に抑えられます。
一方で、生活習慣が整っていないご家庭では、「忙しいから今日はいいか」という先延ばしが多くなってしまうことが多くなります。また、ただでさえ「この時間までに何をやる」という習慣がないのに、対策に追われてしまうとお子さんもどうして良いのかわからず、本来の力を発揮できないでしょう。
仮に合格できたとしても、入学後の家庭学習などに対応できない、学校内での規則正しい生活にお子さんが上手く馴染めない、といったことが起き、大変な思いをするご家庭は多くいます。お子さんのためにも、まずは「時間を決めて動く」ということを徹底し、生活習慣を正すよう心がけて下さい。
ルールの守れない親
小学校受験では、子供の考査や面接など多くの場面で社会のルールやマナーをきちんと理解し教えてもらっているかを見られています。たとえば行動観察や集団遊びでは、初対面のお友達と話し合って一つの目的を達成することもありますね。また、学校によっては考査の合間に休憩時間を設けて、その間の様子を見られることもあるでしょう。
ルールの守れない親の子供は、プロである私達が見てもすぐにわかります。子供は想像以上に大人を良く見ているので、ちょっとした無意識の行動で普段の躾けがわかるものです。
日常生活のルールを教えるプリントワークを実施した際、「良くない行動をした子に◯をつけてください」と指示した所、ポイ捨てをしている子どもの絵にマルを付けなかったお子さんがいました。その子は、「お父さんはタバコを吸ってポイするから、ちょっとなら大丈夫だと思います」と答えたとのです。少し位なら、と思いルールを破った結果が、お子さんの教育には大きな影響を及ぼすことを実感する出来事でした。
したがって、日常生活の中でルールを守れない場合は、受験には不向きです。保護者面接を実施する学校であれば尚更おすすめできません。面接の場だけ取り繕っても、ちょっとした行動から先生方は違和感を覚えてしまいます。
子供に甘すぎる親
近年では「叱らない育児」という言葉もよく耳にしますね。しかし、「叱らない」と「甘やかす」育児はまったく違います。叱らない育児の本質は、子ども自身が自分の行動を振り返り、善悪の判断が出来るような声掛けや支援をするということです。悪いことをしていても、何も言わず全て肯定するのとは異なります。
子供に甘すぎる親は、多くの場合講師からのフィードバックもまず言い訳から入ります。また、「私が時間を作ってあげられなかったから、この子は悪くないんです」とかばう方もよくいますが、これでは逆効果です。
お子さんになにか出来なかった時、親が甘すぎる場合は段々と「お母さん、お父さんが手伝ってくれなかったから」といった言い訳ばかり上手になってしまいます。自分の失敗を認められないことは、子供ならよくありますが、それをバネに努力しようという根性がなければ受験のみならず学校生活や社会でも苦労しますよね。
お子さんに小学校受験をさせたいと思う場合は、一度ご家庭での行動を振り返ってみてください。
子供に厳しすぎる親
甘すぎる親はだめ、と言いましたが、当然厳しすぎるのも良くありません。子供も大人も同じですが、何度も叱られたり期待されていないと感じたりした場合、パフォーマンスは著しく低下します。
受験が近づくと、理想と現実のギャップに親のほうが追い詰められてしまい、つい厳しい口調になることもあるでしょう。しかし、お子さんも自分なりに精一杯やっているのであれば、厳しい言葉は逆効果です。
小学校の先生も、普段から多くのお子さんやご両親と関わるプロです。面接や考査など、様々な場面でお子さんが萎縮している様子を見ると、自然と親の関わり方も想像できてしまいます。当事者であるお子さんも、何度も厳しく叱られていては、やらされている感が出てしまうのは仕方のないことかもしれません。
子供の成長を妨げないためにも、厳しすぎる接し方はNGです。
小学校受験に向かない親だ・・と思ったらやるべきこと
ここまで、小学校受験に向かない親の特徴を紹介してきました。もしかしたら、当てはまると感じて落ち込む方もいるかもしれません。
しかし、本当にお子さんのことを思って小学校受験を目指すのであれば、今からでも改善はできるでしょう。特にやるべき4点をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
生活のリズムを整える
小学校受験を目指すのであれば、まずは生活リズムを整えて下さい。家族で話し合い、まず朝は6時半起床、夜は19時までに寝る、などといったはじまりと終わりを蹴ってし、実行してみましょう。起床と就寝の時間が定まれば、次は食事の時間、お手伝いの時間、音読の時間など、大まかなスケジュールを立てながら生活を規則正しく送りましょう。
お子さんが大きいのであれば、ぜひ本人の意志も聞き、一緒にスケジュールを立てて一日を過ごしてください。生活習慣がきちんとしていると、受験に向けたスケジュールも立てやすくなりますし、お子さんの行動にもメリハリがつきます。
ちょっとした意識の違いで、生活のリズムを整えることができます。小学校受験を目指すのであれば、気をつけていきたいですね。
家族でルールを学ぶ
最近では、絵本や動画といった様々なコンテンツから社会のルールやマナーを知ることができます。ご両親が日頃の行いを振り返り反省する機会にもなりますから、ぜひ絵本の読み聞かせを通して、ルールを守ることの大切さを学んで下さい。また、親が正しい姿を示すことも重要です。
子供にとっては一番身近な大人であり、手本にするのは両親です。絵本や動画では、ご自身の行動を振り返り、子供と一緒に正しい姿を学ぶことができますね。貴重な対話や、自分の意見を伝える能力を育むことにも繋がります。
ただし、動画の視聴から学ぶ場合、時間を事前に決めておきましょう。
甘やかしと受容の線引を決める
甘やかしと、お子さんの意思を尊重しながら受容することは異なりますね。何でもかんでも良しとするのはあまりよくありませんが、一方で子供の気持ちに寄り添い、受け止めていくことも受容です。
子供にとって「親が認めてくれた、わかってくれた」と感じる経験は、自己肯定感を高めることにも繋がりますね。ご両親で良く話し合い、どこまでが甘えかを事前に決めておくことをおすすめします。
また、子どもに甘えが見られた時には、どのような声をかけるのか、どのタイミングで支援の手を差し出すのかも事前にすり合わせておきましょう。甘やかしと受容の違いは難しいと感じる方もいますが、気持ちに寄り添いながらも、お子さんが自分で考えて次の行動へつなげる主体性を育む為に、一度線を決めたらぶれずに貫いて下さい。
叱る前にまずは一拍置く
厳しすぎる親は、普段から自分の感情を上手くコントロールするのが苦手、という方も多くいますね。道路の飛び出しなど、命に関わる危険なこと以外では、できるだけ感情的にならず話すことが重要です。
考査や面接練習中にも、親がイライラしてしまい、途中で口を挟まれるご家庭もいます。そのような行動は一発アウトですから、まず叱る前には深呼吸をして、今それを本人に伝えることが本当に必要なのか考えましょう。
焦る気持ちは理解できますが、お子さんにはお子さんなりの事情や、親からは見えにくい努力をしている場合があります。カッとなって感情的に叱った場合、同じだけ良いところを見つけて褒めるのも忘れないで下さい。受験前の子供のモチベーション管理も、親の重要な役割です。
小学校受験に向かない親の特徴は?1000人の両親を見たから分かることまとめ
長年多くの受験生や保護者を見てきたからこそ感じる、小学校受験に向かない親の特徴をお伝えしました。ぜひご自身の言動を振り返り、残念ながら当てはまると感じた場合はお子さんの対策と同時に直していきましょう。