小学校受験の面接では、ほとんどの小学校でも志望動機について質問されるわよね。
願書に「志願する理由」を書いているのに、どうしてわざわざ質問されるのかしら。
小学校受験の面接で、志望動機を質問される理由
志望動機を質問する時、面接官がいくつかの観点を持って質問しています。
相手が質問している意図を正しく理解して回答することは、合格への第一歩と言えるでしょう。
学校の教育方針を理解しているかを確認するため
学校の先生は、保護者がきちんと学校の教育方針を把握して受験をしているかを気にしています。
なぜなら、学校の教育方針と合わないという理由でクレーマー化したり、転校したりする人が入学すると、先生の負担が増える、学費収入が減るなど、学校にとってマイナスだからです。
そのため、保護者がどの程度学校のことを理解しているかを把握するために志望動機を聞いていると考えられます。
願書だけでは分からない内容を聞くため
願書に書かれている志望動機は、記入欄の大きさや文字数制限の関係上、抽象的な内容になっていたり、話のさわりだけが書かれていたりしませんか。
面接官は、願書に書かれた内容について「もっと詳しく知りたい」「保護者の思いを知りたい」と考えて、改めて志望動機を聞いているわけです。
受験に対する本気度を確認するため
面接で志望動機を質問するというのは、面接官も受験者も当然織り込み済みだと思います。
そのため、万が一志望動機をきちんと答えられないようだと、「きちんと準備をしてこなかった」「本校への入学の意思がない」と判断されてしまうでしょう。
両親と子どもそれぞれの考えを知るため
志望動機は、保護者のどちらかだけに聞かれるとは限りません。
父親も母親も子どもも聞かれる可能性があり、この場合は一人ひとりの入学への思いを確認する意味で志望理由が聞かれていると考えられます。
もし両親の考えがずれていたり、子どもが答えられなかったりしたら、合格は難しいでしょう。
小学校受験の面接で「志望動機」の質問例
直接的に「志望動機」について聞かれる場合もありますが、別の切り口から遠回しに聞かれることもあります。
以下のような質問は、大枠では「志望動機」に関わる質問ですので、回答がブレることのないように気を付けなければなりません。
【保護者に対して】
- 志願理由をお聞かせください。
- 受験することは、ご両親のどちらがお決めになったことですか。また、どうして受験しようと考えたのか、その理由もお話しください。
- 本校を受験した理由をお聞かせください。
- 本校を受験する際、どのような点が決め手になりましたか。
- 本校の特色を踏まえて、本校を志望した理由をお話しください。
- 願書には「〇〇」と書かれていますが、このことについてもう少し詳しくお話しください。
- 願書にお書きいただいた内容以外にも、本校を志望した理由はありますか。
- なぜ私立小学校を受験しようとお考えになったのですか。
- 他の小学校は受験しますか。また、複数の学校に合格した場合には、どのようになさいますか。
- 本校のどのようなところがお子様に合うと感じておられますか。
- 本校の魅力を3つ挙げるとしたら、どのような魅力があると思いますか。できるだけ具体的に教えてください。
- 志望動機について、入試説明会やオープンスクールで感じた学校の印象を踏まえてお聞かせください。
- 本校の教育について共感できるところがありましたら教えてください。
- (片方の親が志望動機を答えた後でもう片方の親に)今の内容についてどう思われますか。
- (片方の親が志望動機を答えた後でもう片方の親に)他にも志願した理由はありますか。
- (片方の親が志望動機を答えた後でもう片方の親に)他に付け足すことはありますか。
【子どもに対して】
- どうしてこの学校に入りたいと思ったのかな。
- この学校の良いところは、どんなところだと思いますか。
- この学校に入ったら、どんなことをがんばりたいですか。
小学校受験の面接で「志望動機」の回答ポイント
志望動機について質問をされた場合、先述した「志望動機を質問される理由」を踏まえて回答してください。
具体的にはどのように答えたら良いのか、回答のポイントを解説します。
その学校を受験するに至った経緯を整理しておく
多くのご家庭では、「私立(国立)小学校に通わせたい」→「〇〇小学校に通わせたい」という流れがあって志望校を決めたのではないでしょうか。
面接では、「そもそもなぜ受験をしようと思ったのか」と「どうして本校を選んだのか」を区別して質問される場合があります。
受験することを決めた理由をきちんと整理しておきましょう。
学校の教育方針を踏まえる
面接官の先生に「学校の教育方針を理解していること」を分かってもらうために、「建学の精神」や「学校教育目標」などの内容を踏まえて答えましょう。
ただし、「貴校の〇〇に共感しました」などのありきたりな表現では、「入学したい」という熱意が伝わりません。
学校の教育方針を、ご自身なりの言葉で言い換えて回答できるとより良いです。
家庭の教育方針と一致していることを伝える
お子さんが6年間通学する学校ですから、お子さんに合っていると考えて受験することを決めたと思います。
学校の先生は、学校と家庭の教育方針の不一致を嫌いますので、家庭の教育方針と一致していることを伝えましょう。
「貴校の教育方針に感銘を受けた」→「家庭の教育方針と合致している」という流れで話を構成することがよくありますが、実際は「家庭の教育方針は〇〇である」→「「貴校の教育方針と合致している」という流れだと思いますので、後者の流れで話を構成する方が自然でしょう。
オープンスクールや体験入学会に参加したエピソードを交える
具体的なエピソードを交えて志望動機を回答することで、説得力のある回答になりますし、面接官にも熱意が伝わりやすくなります。
例えば、入学説明会での校長先生の話、オープンスクールでの児童の様子、体験入学に参加した時のお子さんの反応など、できるだけ具体的な場面を挙げられると良いです。
具体的なエピソードについては、学校の魅力を感じたシーンや家庭の教育方針と一致するなと感じたところをピックアップすると、話が組み立てやすくなりますよ。
父親と母親と子ども、それぞれに回答を用意しておく
片方の親が回答した後に、もう片方の親にも志望動機を質問をされることがあります。
せっかく話すチャンスをもらったのに、「私も同じ考えです」と答えるだけではもったいないですよね。
父親と母親がそれぞれの言葉で熱意を持って志望動機を語れると、受験の本気度や入学への強い思いが伝わると思います。
また、お子さんにも志望動機が聞かれることがありますので、たとえ親が決めた受験であってもお子さんなりの言葉でその学校に入りたいという気持ちを伝えられるように練習しておきましょう。
話す内容や話し方も工夫する
志望動機は、面接の序盤に聞かれることが多い質問です。
面接が好印象でスタートできるように、話す内容や話し方も工夫しましょう。
話す内容は、ありきたりな内容ではなく、ご家庭やお子さんに合った独自のエピソードを選ぶと面接官の印象に残る内容になります。
話し方も、暗記したことを淡々と話すのではなく、ある程度の熱量を持って、表情豊かに語れた方が好印象でしょう。
簡潔明瞭に話すことが回答の基本ですので、話の組み立てをよく練っておく必要があります。
まとめ
志望動機は、どの小学校でも必ずと言って良いほど聞かれる質問です。
願書には書き切れなかった思いやエピソードを伝えられるチャンスだと思って、しっかりと回答を準備しておきましょう。
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