「子育てで気をつけていること」「子育てで大切にしていること」を質問されたときは、「子どものやりたいことをやらせるようにしています」とか、「食事のマナーが身につくように気をつけています」とかを答えたらいいのかしら?
どんな回答の仕方をしたら好印象なのか、ぜひ教えてもらいたいわ。
小学校受験の面接では、「子育てで気をつけていること」、「子育てで大切にしていること」のようなしつけに関する質問は、父親に対しても母親に対してもよくされますので、ご両親ともしっかりと対策を練っておくことが大切です。
誠実に答えることが前提ですが、何を答えても良いわけではありません。
本記事では、小学校受験面接指導で高い合格実績を叩き出す塾長が回答のポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
小学校受験の面接で、子育てで気をつけていること・大切にしていることを質問される理由
「子育てで気をつけていること」、「子育てで大切にしていること」は、しつけに関連した質問のひとつです。
しつけについて質問されるのには、大きく分けて4つの理由が考えられます。
学校の教育方針と家庭の教育方針が合っているかを知るため
学校の教育方針と家庭の教育方針が合っていることは、お子さんの教育においてとても大切です。
もちろん、学校の先生方も「家庭と足並みを揃えて子どもの指導にあたることが大切だ」と考えていますので、家庭の教育方針を知りたくてしつけに関する質問をしていると考えられます。
そのため、学校と相反する教育方針を持ったご家庭の合格は難しいでしょう。
家庭の教育状況を知るため
良好な家庭環境かどうかは、大切なチェックポイントになります。
ところで、お子さんの教育には、しっかりご両親で関わっていますか。
「お父さんは仕事ばかりで、育児はお母さんに任せている」ということがあったら要注意です。
お子さんの成長を支えるためには、父親の役割と母親の役割が同じように大切になります。
誤解がないように申し添えておきますが、シングルで子育てされていらっしゃる方でも、充実した家庭環境を作ることができていれば十分合格をいただくことが可能ですのでご安心ください。
重要なのは、保護者が子どもの教育に熱意を注いでいるかどうかです。
保護者としての資質を知るため
小学校受験をするご家庭の保護者は、当然のことながら子育てに関心の高い方ばかりです。
教育熱心なのは良いことですが、ややもすると過干渉や過保護の保護者であったり、モンスターペアレントの可能性を秘めた保護者であったりすることがあります。
学校の先生は、過保護やクレーマー気質の親は子どもの健全な発達の妨げになること、学校や他の保護者とトラブルを起こす可能性が高いことをご存知です。
そのため、保護者としての資質を見極めるためにしつけに関する質問をしていると考えられます。
学校の教育に協力を得られる保護者かどうかを判断するため
学校の教育活動に協力的な保護者かどうかも、面接における大切なチェックポイントです。
小学校では、登下校の見守り、学校行事への参加、保護者会への出席、PTA活動への協力など、少なからず家庭の負担になることがあります。
もし「子育てで気をつけていること」に対する回答の中に「仕事で忙しくて・・・」「自主性を重んじているので子どものことにはあまり関わりすぎないように・・・」などの言葉が出てきたら、面接官の先生は敏感に反応するでしょう。
小学校受験の面接で「子育てで気をつけていること・(大切にしていること)」の質問例
「子育てで気をつけていること」、「子育てで大切にしていること」の質問は、家庭の教育理念を尋ねる質問から具体的な問題解決の仕方に関する質問まで、いろいろなパターンがあります。
どのような聞かれ方をしても大丈夫なように回答をしっかりと準備しておきましょう。
以下に質問例を挙げておきますので、面接練習にご活用ください。
- 子育てで気をつけていることを3つお話しください。
- 子育てにおいて大切にしていることは何ですか。具体的にお聞かせください。
- お子さんは、どのような人に育って欲しいと考えていらっしゃいますか。また、そのために、ご家庭ではどのような子育てをされてきましたか。
- 本校では「豊かな人間性を育むこと」を目標にした教育を行っていますが、ご家庭ではどのような子育てをしていますか。
- 学校の教育とご家庭の教育で、似ていると感じるところと違うと感じるところを教えてください。
- これまでの子育てでは、お母さんの思い通りにならなかったこともあるかと思いますが、そのような時はどうされてきましたか。具体的な場面を含めて教えてください。
- 普段からお子さんに言い聞かせていることがありましたら教えてください。
- 父親として、子育てにどのように関わってきましたか。これまでの子育てで心がけてきたことをお話しください。
- 家庭での子育てはどうあるべきだとお考えですか。また、その理想に近づくために、保護者としてどのような努力をしていきたいと思いますか。
- 子育てにおいて、ご両親の間で意見が分かれた場合、どのようなことに気をつけて対応するのが望ましいとお考えですか。
- なぜ本校を受験されたのか、これまでの子育てと関連づけて理由を教えてください。
- 「子は親の鏡」という言葉がありますが、子育てにおいてお子さんの鏡となれるように気をつけていることはありますか。
- 家庭教育において、最も大切にされていることは何ですか。
- 子育てをするにあたって、配慮されていることがございましたら教えてください。
小学校受験の面接での「子育てで気をつけていること」「子育てで大切にしていること」の回答ポイント
さて、上記のような質問をされた場合、どのような回答が望ましいのでしょうか。
「子育てで気をつけていること」の質問は、大きく「しつけに関する質問」と捉えることができるため、回答の幅がかなり広くなっています。
どの質問パターンが来ても対応できるように、以下のポイントを押さえた回答を考えておきましょう。
回答例を示しながら回答のポイントをご紹介します。
学校の教育方針に合わせる
学校には「建学の精神」や「学校教育目標」など、どのような子どもに育てたいかという目標があります。
この目標と同じ方向性の回答を準備しておきましょう。
例えば、カトリック系の学校なら「常に子どもの心に寄り添い、あたたかく見守る中で礼節を身につけられるように気をつけています」、個性を尊重する学校なら「子育てにおいては、物事への興味・関心を持つことができる環境を整え、子どもの好奇心の芽を育んでいけるように気をつけています」などの回答例が考えられます。
一般的な内容で大丈夫
面接で良い評価を得ようと思って、個性的な回答を用意しようとする方がいますが、その必要はありません。
面接官である先生は、常識的な保護者に入学して欲しいわけですから、「当たり前のことが当たり前にできる」という姿を見せることの方が重要ではないでしょうか。
「他人に迷惑をかけることがないように心がけている」「挨拶や礼儀など、人として大切なことをきちんと教えられるように気をつけている」など、ありきたりのことで構いませんので、具体的に語れるようにしておきましょう。
具体的なエピソードを整理しておく
しつけに関する質問では、「具体的には・・・」「どのような時に・・・」など、話した内容を掘り下げて質問されることが多いようです。
具体的なエピソードを考えておくことで、そのような掘り下げ質問に対応しやすくなります。
いくつかのエピソードを簡潔に説明できるように、内容を整理しておきましょう。
過保護なイメージを与えない表現を使う
先述のように、この質問の回答で過保護な保護者のイメージを持たれることは避けたいところです。
例えば、「これまでの子育てにおいては、できるだけ手をかけてあげることを心がけ、子どもが嫌な思いをしないように気をつけてきました」という回答はNGでしょう。
「子どもの主体性を尊重しつつ、礼儀やマナーはしっかりと教え、礼儀正しい人に育つように気をつけてきました。」のように、お子さんの主体性を尊重しながら、適切に子育てをしてきたことが伝わる表現をすることで、面接官に対する印象が良くなります。
謙虚な姿勢を示す
しつけについての明確なビジョンを持ちながらも、「学校の教育方針や先生の助言を得ながら子育てをしていきたい」という気持ちは、学校の先生からは高い評価を得られます。
子育てにおいて家庭教育が一番重要であることは確かですが、あくまでもこちらは考査を受けている側です。
謙虚な気持ちを持ち、学校と協力しながら子育てしていきたいという姿勢で回答を考えましょう。
父親と母親で、それぞれに回答を考えておく
面接では、「父親として」「母親として」という条件を付けて質問されることがあります。
それぞれの親の立場から回答できるようにしておきましょう。
回答例としては「父親として、善悪の判断がきちんとできるように厳しくしつけをしてきました。具体的には・・・」「母親として、あたたかい家庭環境で子育てができるように気をつけてきました。例えば・・・」などが考えられます。
学校が求める父親像や母親像に合わせて回答できるとより良いですね。
まとめ
「子育てで気をつけていること」「子育てで大切にしていること」の質問のされ方はいろいろとありますが、しつけに関する質問はよくされますので、しっかりと回答を準備しておきましょう。
もし「どのように答えたらいいのかな・・・」「この答え方で印象が良いかな・・・」などの不安がありましたら、ぜひご相談ください。
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