子供の受験なのに、どうして親の仕事や職業が聞かれるのかしら。
質問の意図や、正しい答え方がよく分からないわ。
一部の小学校では、親の職業についてよく質問されます。
学校側は意図を持って質問していますので、その意図を汲み取って正しく答えることが重要です。
小学校受験では、保護者の面接が合否を分けることもありますので、お父様もしっかり準備する必要があります。
本記事では、小学校受験の面接対策を行う塾長が解説していきます!
小学校受験の面接で、父親に職業や仕事のことを質問する理由
小学校受験の面接で父親の仕事や職業について質問されるのは、親の職業で合否を決めるためではありません。
親の職業は合否とは直接関係なく、質問の意図を解釈して、時間的にも経済的にも子供を支えられる親かどうかが問われているのです。
具体的にはどのような意図があり、どのように答えればいいのか、詳しく解説します。
どんな仕事・職業についているのか知るため
まず考えられる理由は、言葉の通り父親の仕事・職業を知るためです。
例えば、転勤が多い仕事・職業だと入学後に転校する可能性が高く、学校からすると収入が減ってしまいます。
また、夜間の仕事・職業だと子どもの生活に悪影響を与えるのではないかを危惧する場合もあるでしょう。
このように、子供の学校生活を支えられる家庭かどうかを判断する材料として仕事・職業を聞いているわけです。
あるいは、コミュニケーションの導入として仕事・職業を聞いている場合があります。
「今日は暑いですね」のような天気の話題と同じように、核心の質問に入る前のウォーミングアップです。
この場合は、仕事・職業を聞きたいのではなく、父親の人柄がチェックされるポイントになります。
誠実にハキハキと答えられれば大丈夫ですので、落ち着いて質問に答えましょう。
学費を払うことが出来る経済力があるのか知るため
次に考えられる理由は、家庭の経済力を把握するためです。
特に私立は公立に比べて学費がかかりますので、学費を6年間払うだけの経済力のある家庭であるかを見られています。
もちろん直接年収を聞くわけにはいきませんので、仕事・職業を聞くことで間接的に経済力を把握しようとするわけです。
私立は学費だけでなく寄付金がほぼ必須の学校もあるため、安定した仕事・職業についているかどうかは重要視されています。
しかし、高収入である必要はなく、安定して学費や寄付金を払うだけの経済力を示すことができれば大丈夫です。
仕事に対するやりがいや思いを知るため
他にも、仕事に対するやりがいや思いを知るために質問されることもあります。
その場合は、補足の質問によって、間接的に子育てに関心のある父親かを見られていると考えてください。
例えば、仕事・職業を聞かれた後に、「現在のお仕事を通じてお子さんに伝えたいことはありますか」「お仕事は大変ではないですか」などと聞かれることがあります。
前者の質問では、父親が仕事に対してどのようなやりがいを持っているかを問われています。
父親は、子供にとっての身近なキャリア教育をしてあげられる存在です。
仕事に誇りを持って働く父親の姿は、お子さんにとっても良い刺激になりますし、それを意識できている父親は子育てにも関心が高いと言えます。
このような良い刺激を与えられる家庭環境にあるのかを見られているわけです。
後者の質問では、「仕事が忙しい」を言い訳にせず、子育てにしっかり関わる父親であるかを問われています。
熱心に仕事をするのと同じくらい子育てを大切にできている父親であれば、家庭教育も充実していることがほとんどです。
そのため、仕事はやりがいがあって忙しいが、子育てもしっかりしていることを簡潔に伝えられると良いでしょう。
父親に職業や仕事のことを質問する時の質問例
以下に、ご自宅で面接練習するときにも役立つ「父親の仕事に関する質問例」をご紹介します。
「質問の意図は何なのか」「どのように答えるべきなのか」を考えてみてください。
- お父様のお仕事についてお聞かせください。
- お仕事ではどのような役職で、どのような業務内容に取り組んでいらっしゃいますか。
- 仕事へのやりがいなどを踏まえてお話しください。
- お父さんの働く姿を通して、お子さんに伝えたいことはありますか。
- 働くことの意義について、お父さんのお仕事を通してお子さんに教えていらっしゃることはございますか。
- お仕事と子育てを両立するために心がけていることを教えてください。
- どのようなお仕事をされているのかを簡潔にお聞かせください。
- また、お仕事のやりがいと大変なことも併せて教えてください。
- お子さんとご家庭でお父様のお仕事についてお話しされることはありますか。
- 小学生で起業する子や子役として活躍している子もいますが、お子さんの将来に向けて家庭ではどのような教育をされていらっしゃいますか。
- お父様の職業と関連させて、ご家庭での考えをお聞かせください。
- お子さんには、将来どのような職業についてほしいと考えていますか。
- お父様のお仕事への思いと関連させながらお聞かせください。
- 現在はYouTuberやプロゲーマーも職業として確立してきましたが、お子さんがYouTuberやプロゲーマーになりたいと言ったらどうなさいますか。
- ご自身のお仕事の経験も踏まえてお話しください。
- (子供への「将来なりたい職業は何ですか」の後に)
- お子さんの今の答えを聞いて、お父様はどのように思われましたか。
- ご自身のお仕事への思いも併せてお聞かせください。
- AIの進歩がめざましい時代で、多くの職業がなくなるのではないかと予測されていますが、お子さんには将来どのような職業についてほしいとお考えですか。
- ご自身のお仕事の経験を踏まえてお答えください。
小学校受験の面接で、父親の職業や仕事の質問をされた時の回答例とポイント
上記のように、父親の仕事・職業に関する質問は、直接的な質問もあれば間接的な質問もあります。
しかし、どのような質問が来ても、次の3つのポイントを抑えれば大丈夫です。
仕事を通して社会にどのように貢献しているのかを入れる
面接官への印象をよくするために、質問の回答の中に仕事の意義や価値を添えることをおすすめしています。
例えば、介護施設で働いている方は、「利用者の笑顔が私の働くエネルギーです。」と一言添えるだけで「思いやりのある父親」という印象を与えることができます。
他にも、管理職の方は、「部下を信頼して仕事を任せることもありますが、責任は私が取るつもりでしっかりサポートするように心がけています。」と答えれば、
「相手を尊重しつつも共助の精神がある父親」というイメージになり、学校としては「PTA活動にも進んで参加してもらえそう」と好印象です。
また、社会貢献は家庭への貢献も含んでいると捉えて良いでしょう。
そのため、仕事を通して家庭教育を充実させているか、あるいは、仕事と育児を両立できているかという観点を踏まえた回答をすると良いでしょう。
面接官は、あくまでも「お子さんを入学させるかどうかを判断するために父親を見ている」ということを忘れないようにしてください。
お父さんの仕事の頑張りをアピールしてばかりいると、面接では悪い印象になってしまうので注意が必要です。
具体的なエピソードを入れる
具体的なエピソードを添えることで、回答に説得力が増しますし、面接官の印象に残る回答になります。
エピソードは、些細な出来事で大丈夫です。
むしろ、些細な出来事を笑顔で話す父親の方が、「ちょっとしたことにも配慮や感謝ができる父親」と、好印象かもしれません。
また、質問によりますが、失敗談の方が効果的なこともあります。
自分の失敗をさらけ出せる人は、相手の失敗にも寛容であることが多く、学校の先生には好印象に映るかもしれません。
どのような質問をされたときにも対応できるように、成功したエピソードを2つ、失敗したエピソードを1つ程度考えておくと良いでしょう。
胸を張って答える
回答の内容はもちろんですが、質問に答える姿勢や態度も大変重要です。
胸を張り、誠意を持ってハキハキと答える姿は、面接官にも魅力的に映るでしょう。
「子は親の鏡」と言うように、両親の人間性の良さは、そのままお子さんの人間性に影響を与えていることが多々あります。
そのため、お父さんの人柄の良さが伝わるような態度や話し方が大切です。
丸暗記した内容を思い出しながら話すのではなく、その場のコミュニケーションを大切にしながら自分の言葉で胸を張って答えられると良いですね。
父親の面接は、小学校受験の合否を左右する!
小学校受験は、「親の受験」と言われています。
特に父親の面接がある学校は、父親の面接の出来が合否を左右すると言っても過言ではありません。
そもそも、なぜ父親の面接があるのか考えたことがありますか。
入学するのはお子さんですから、子供の面接だけでも十分ではないでしょうか。
また、「学校に協力的か」「家庭教育が充実しているか」「他の保護者とトラブルにならないか」などを知りたければ、母親と子供の面接でも良いはず。
しかし、あえて父親も面接をしているということは、そこに学校側の意図があり、しっかり準備した父親とそうでない父親とで差がつき、結果合否を左右することになるわけです。
「お子さんの合格を勝ち取るためにできることはしてあげたい」と思うのが親心ですよね。
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志望校合格に向けて、一緒に頑張りましょう。