小学校受験の巧緻性テストって何?
対策や出題意図も知りたい!
小学校受験の課題の一つに巧緻性(こうちせい)テストがあります。
巧緻性テストとはあまり聞きなれないかもしれませんが、簡単に言うと手先の器用さや丁寧さを見るテストのことです。巧緻性はすぐに身につくものではなく毎日の積み重ねが大切です。
ここでは小学校受験のプロである筆者が巧緻性テストの出題内容とその対策について解説します。早い段階から対策を理解して積み重ねていきましょう。
小学校受験の巧緻性テストでは、手先の器用さを見られる
小学校受験の巧緻性テストは手先の器用さを見ています。
もっと言うと、手先が器用なことで工作がスムーズに行えるかどうかを見ています。
巧緻性が得意な子供はそうでない子供よりもさまざまな学習活動へ意欲的に取り組めるという研究データもあります。
手先が器用なことでストレスなく工作を楽しめれば次々とやりたくなると思いませんか。学習活動への意欲的な取り組みはやがて漢字を繰り返し覚えたり計算問題を繰り返し解いたりといったことへ繋がります。
なにか作業をするときに集中力を高めて取り組めることは学力向上に寄与する大切な能力なのです。
このため小学校受験では巧緻性テストを行い学力が高くなる子供を選んでいると言えます。
【小学校受験】巧緻性テストの実施方法
では実際に小学校受験ではどのようにして巧緻性テストが行われるのでしょうか。パターン別に見ていきましょう。
集団テストで
集団で作業する場合は行動観察の要素が多く入ってきます。
材料だけが置かれていて自由に制作を行う自由制作があったり、先生が目の前で実演してその通りに行う課題制作があったりします。
例えば集団で紙コップを積み上げていったり、春のものを作って1枚の大きな絵にしたりなどです。みんなで協力して作業することが大事です。
少集団のテストで
3人程の少集団で行うこともよくあります。こちらも行動観察の要素が多く入ります。
人数が少ない分、話し合いをしてどうするかという意思決定がしやすいので、より協調性が大事になります。
仲良く相談しながら作業出来るかどうかも見られています。
個別テストで
巧緻性テストは個別で行われることが最も多いです。
集団の場合、分からなければ他の子供に聞いて作業が出来ますが、個別の場合はそれが出来ないので先生に再度質問しなければなりません。
決して他の子供の見て真似をしてはいけません。カンニングと同じことになるのでマイナス評価になってしまいます。
【小学校受験】巧緻性テストの内容
巧緻性テストの内容は多岐にわたります。よく出題される内容を一つずつ確認していきましょう。
豆つかみの課題
豆つかみはお箸で豆を挟んで別のお皿へ移し替える作業です。お箸を正しく使えないと上手くいかないです。女子校で良く出される課題の一つです。
対策
お箸を正しく使えないと上手くいかないので、早い段階から食事でお箸を使うようにしましょう。また練習する時も親子で時間を競い合ったりして楽しく作業出来るように工夫できると良いでしょう。
洋服たたみの課題
広げてある洋服をきれいにたたんだり、制作の時間にスモッグを使用して、終わったらきれいにたたませたりします。早稲田実業学校初等部ではボタンシャツのボタンを留めてきれいにたたませる内容も出題されています。
対策
日頃から洗濯物をたたむお手伝いをして貰うと良いでしょう。最初のうちは難しいので、タオルをたたむなど簡単な作業から取り掛かります。服の形によってたたみ方も変わるので色々なタイプの服で練習しておきましょう。
折り紙の課題
折り紙を折って好きな形を作ります。巧緻性テストの定番で、手先の器用さが良くわかる課題です。
対策
とにかくたくさん折ることです。
折り紙の本を買ってきて簡単なものから徐々に難しいものに挑戦していきましょう。
なお、自由に折ってくださいと言われることも多いので、いつでもすぐに折れるように3種類程度は得意な折り紙を考えておきましょう。
工作の課題
ハサミやのり、セロハンテープなど道具を使用して制作物を作る課題です。
どの道具をいつどうやって使うかという指示が出ますので聞き漏らさないようにしましょう。
対策
道具は何度も使って使い方のコツを覚えさせます。
ハサミやセロハンテープなど歯がある道具は安全に使えるように練習しておきます。
のりはつける量が多すぎるとはみ出して汚くなるので、広さに対して適切な量がどのくらいかを何度も体験させて覚えさせてください。
紐通しの課題
紐を穴に通して見本と同じ形を作ります。
見本を見ながらやりますが、通す穴を間違えたり順番を間違えると完成しないので観察力が必要です。
対策
紐通しを練習するキットを使って練習します。紐を通す順番があることや表だけではなく裏から見ても見本と同じ形になるように繰り返し練習してください。
紐結びの課題
紐通しをした後、最後に蝶結びをすることもあります。また制作の中の一つの作業で紐結びも出てきます。蝶結びや片結びなど名前とやり方をセットで覚える必要があります。
対策
紐結びは紐通しと一緒に練習しましょう。
蝶結び、片結び、玉結びの3つは必ず出来るようにしておきます。
1本の紐に5つの玉結びを作るときに何秒かかるか、など楽しみながらやりましょう。
蝶結びは形も大事です。縦結びにならないようにしてください。
小学校受験における『巧緻性テスト』5つのポイント
巧緻性テストで守るべき大切な5つのポイントを解説します。作業の上手下手よりも取り組み姿勢や他の子供との関わり合いの方が重要です。
先生の指示をきちんと聞く
巧緻性に限らずですが、小学校受験では先生からの指示がたくさんあります。
制作では使う道具や順番、どこになにを貼るかなどたくさんの指示があるので、聞き漏らさずに行えるようにしましょう。
制作の作り方を解説した映像を見て作業することもあるのでまた目を逸らさずにしっかり見聞き出来るようにしてください。
諦めずに頑張る
制作の場合、早く終わることもあるかもしれません。
そんな時でも時間が余ったからとボーっとしていてはダメです。
小学校受験では粘り強さが大事ですので、時間が余ったなら色塗りをもっと完璧にするなどとにかく作業の手を止めないことです。最後まで工夫できることはないかを考える練習をしましょう。
使った道具は片付ける
制作では道具を借りることもあります。作業が終わったら借りた道具は御礼を言って返しましょう。
返す時は借りた時の状態に戻します。
例えばのりなら蓋をきちんと閉めて返すなどです。
ハサミを返す時は持ち手の方を向けて返すなども教えておきます。
借りる時返す時は必ず御礼を言うことも教えてください。
道具を譲り合って使う
道具は人数分なく、子供同士で譲り合って使うこともよくあります。
1人で道具を独占するのではなく、声掛けをしながら譲り合って使えるかを見られています。
相手が貸してくれるのを待つのではなく、自分から貸してと言えるように練習しておきましょう。
周りをキョロキョロしない
先ほどもお伝えしましたが、作業手順が分からないからといって周りの子供の様子を見て真似をするのはやめましょう。
カンニング扱いになりますし、先生の指示をしっかり聞いていないことを表すようなものです。
作業手順を聞いてしっかり記憶する練習を毎日行っていれば、周りのことは気にせずに作業に集中してくれるので積み重ねが大切です。
【小学校受験】巧緻性テストとは?対策と出題意図もプロが解説まとめ
巧緻性は一朝一夕では身につきません。
毎日の積み重ねが大切です。
ペーパーなどは分野によっては理解が出来ない項目もあり成長するのを待たないといけませんが、巧緻性は年少さんからでも出来ます。
ぜひご家庭で取り組んでみてください。
親御さんの中には制作などが苦手な方もいらっしゃると思いますが、そんな時は小学校受験に精通した家庭教師にお願いするのも一つの方法です。
家庭教師だと自宅へ来てくれるので、子供のレッスン中は家事が出来たりと時間を効率的に利用出来ます。疑問点があれば相談もできるのでオススメです。
ぜひご検討ください。