お茶の水女子大学附属小学校は、東京都文京区にある国立小学校です。幼稚園から大学まで同一キャンパスにあり、中学校までは男女共学になります。
同区内にある筑波大学附属小学校と並び非常に人気の高い学校で、毎年倍率は約58倍以上と言われています。抽選や考査をくぐり抜けるだけでなく、親御様の記入するアンケート内容も重要です。
お茶の水女子大学附属小学校の検定(考査)の中で特徴的なのが、第二次検定の数日前に行われる「保護者アンケート」です。
例年受験されるご家庭の頭を悩ませる、まさに「親の試練」ともいわれるアンケートについて詳しく見ていきましょう。
【お茶の水女子大学附属小学校】保護者アンケートの特徴
お茶の水女子大学付属小学校の保護者アンケートは、アンケートと呼ばれていますが実際は「保護者作文」です。
例年、テーマにあわせて保護者の意見を書くような内容になっています。
2020年以前は、第一次検定抽選の結果が出た直後、当選したご家庭だけがその場に残ってすぐアンケートを記載していました。
この数年は、一次抽選の結果がでてから約2週間ほど時間が空くようになりましたので心の準備ができるようになりました。
反面、準備期間が取れるからこそ、より一層の学校研究や教育方針の理解が求められるようになりました。
【お茶の水女子大学附属小学校】保護者アンケートのお題
お茶の水女子大学附属小学校で過去に出題されたアンケートの項目は、以下の通りです。
- 本校の保護者になった時、どのようなことに配慮されますか。2つお書き下さい。
- 公立校との相違を踏まえた本校のマイナス面とそれに対する保護者の考えを2つお書きください。
- 本校に入学するにあたり躾として普段から言い聞かせ、心がけさせたいことを3つ上げ、その中の一つについて理由を具体的に書いてください。
- コロナ禍など先行き不透明な社会状況の中であなたが学校・教育に期待することは何ですか。
- 地球環境を守るためにご家庭で取り組んでいることは何ですか。お子さんはどのように参加されていますか。
- 早期教育についてあなたはどのように考えますか。また、その考えのもと、どのようにご家庭で子育てをしていますか。
- お子さんが小学校を卒業するときには、どのような子どもになっていて欲しいですか。そのためにご家庭で何をしますか。具体的に書いて下さい。
アンケート内容は毎年約600字〜800字の長文で回答しなければならず、事前対策は必須です。
教育目標 である「自主協同」や、以下の方針をよく理解しておきましょう。
- 自分で考えて正しく判断し、進んで行動する子を育成する。
- 自然と人間を大事にし、情操の豊かな子を育成する。
- 健康で、気力体力が充実し、意志の強い子を育成する。
【お茶の水女子大学附属小学校アンケート】保護者の配慮についての書き方
お茶の水女子大学附属小学校は国立ですから、教育の研究機関でもあります。また、ご家庭との協力も大切にしている学校です。
お茶の水女子大学附属小学校の教育の柱である「自主的にものごとに取り組み、自分の考えを持ち、他者との協力関係を築くことのできる幼児・児童・生徒の育成」をご家庭でも実践できる親御様が求められます。
お茶の水女子大学附属小学校は保護者との協力について「実際に学習に参加していただき、子どもたちの学びのサポートをしてもらう機会を設けています。また、校外学習の引率補助をお願いする機会もあります。」と述べています。
この設問では、そういった活動を共にするにふさわしい親御様であるかを見られています。
【お茶の水女子大学附属小学校アンケート】公立との相違を踏まえたマイナス面の書き方
マイナス面と言われると難しいですが、公立との大きな相違はお茶の水女子大学附属小学校が「小学校教育の理論及び実際に関する実践的研究を行う学校」であることです。
毎年多くの研修生やインターシップ生を受け入れていますし、国内のみならず海外からも教員が見学、研究に訪れます。
これらを踏まえて、デメリットだと感じるものをまとめてください。
勿論、上から目線の内容にはならないよう、言葉には気をつけましょう。
【お茶の水女子大学附属小学校アンケート】躾の書き方
単にご家庭で大切にされている躾ではなく、「本校に入学するにあたり」とあります。お茶の水女子大学附属小学校の教育方針から、親御様が特に心がけると良いと感じ躾けている内容を書いてください。
具体的に記入する場合、親御様の関わり方やお子様の成長がわかるエピソードも入れましょう。躾や家庭の教育方針に関する記述では、お子様の成長「結果」ではなく親御様のどういった関わりによって変化が見られたのかという「過程」を詳しく書いてください。
【お茶の水女子大学附属小学校アンケート】学校に期待することの書き方
お茶の水女子大学附属小学校では「てつがく創造活動」など、生徒自ら問題提起やプロジェクトを発信し進めるような場面があり、「非認知能力」を高めています。
先の見えない社会の中で、お子様にはどういった能力を身に付けてほしいのか。その能力は、将来なぜ必要なのか。
親御様の考えを詳しく書いた上で、お茶の水女子大学附属小学校のどういった取り組みや場面で非認知能力が鍛えられ、将来的にはどうなると考えているのかまで言及できると良いでしょう。
【お茶の水女子大学附属小学校アンケート】地球環境を守るために取り組んでいることの書き方
お茶の水女子大学では、SDGsに焦点を当てた授業カリキュラムを考えるといった取り組みも行われています。
小学校でも研究授業として実施されているため、こういった質問がされた過去もあります。
お子様が幼少期から社会問題に対しても自然と取り組めるような教育をされていることがわかる具体的エピソードを書いてください。
よくあるのが地域のゴミ拾いですが、数回の参加ではなく定期的に取り組んでいると良いでしょう。
【お茶の水女子大学附属小学校アンケート】早期教育の書き方
お茶の水女子大学附属小学校は早期教育について、否定も肯定もしていません。しかし所謂「お受験特化」の早期教育に関して、肯定的な学校は年々少なくなっています。
お茶の水女子大学附属小学校は、生徒の「知りたい」という思いを刺激するような教育や、人間性の教育に力を入れている学校です。
そのため、詰め込み的な早期教育についての記述は避けたほうが無難でしょう。
お子様の性質を述べた上で、興味関心を刺激するような教育を行っていることを具体的なエピソードと共に書いてください。
【お茶の水女子大学附属小学校アンケート】小学校卒業時、お子様にどうなってほしいかの書き方
ご家庭の教育方針も踏まえ、お子様にはどう育ってほしいのか、そのために現在何をしているのかを記入してください。
こちらも、「結果」ではなく「過程」を詳しく書きましょう。お子様がご家庭の方針により、どのように成長しているのかも触れてください。
小学校入学後も、親としてしっかりと学生生活をサポートし、家庭での教育も引き続き重視していく親御様であることが伝わる内容だと良いですね。
お茶の水女子大学附属小学校の合格を目指すならアンケートが重要な理由
お茶の水女子大学附属小学校は、日本の国立小学校の中でも最難関の1つです。抽選突破後の倍率は約4〜6倍。国立は運も大事と言われていますが、運だけで合格はできません。親として、お茶の水女子大学附属小学校への理解と協力姿勢、家庭の教育を重視する強い意志をしっかりと見せてください。
もしお茶の水女子大学附属小学校や、他校のアンケート・願書でお悩みの方は、一度ご相談ください。毎年全国の国立・私立小学校願書やアンケート、親御様の作文をサポートしてきた私が、皆様だけのオーダーメイド願書を作成します。
先行き不透明な社会情勢の中、これからの学校教育に期待すること(2020年度)
コロナ禍真っ最中であった2020年らしいお題でした。
学校教育に期待することをただ書いては物足りません。「先行き不透明な社会情勢だからこそ、子どもにはこのように育ってほしい。その為に我が家では~」といったように、お茶の水女子大学附属小学校やご家庭の教育方針に紐づける必要がありました。
聴くということをどのように捉えているか。具体的な場面をあげてかいてください。(2021年度)
2021年度以降、方向性が変わってきました。
書き手によって内容が大きく変化するようなテーマとなり、保護者の皆様を大変悩ませるようになったと感じます。
「聴くこと」については、お茶の水女子大学付属幼稚園でよく話題に挙げられていた内容だったそうです。在園生とリレーションを持っていたご家庭はラッキーでしたね。
自由についてどのように思われるか、お考えをお書きください。(2022年度)
2022年度のテーマは近年で1番難しいと言われています。
こちらも、単純にご自身の考えを書くのではなく、その考えをもってどのように子育てに紐づけているか。学校の教育方針を理解していることをアピールできるような内容でまとめられると◎でした。
【お茶の水女子大学附属小学校】保護者アンケートについての疑問を解決
お茶の水女子大学付属小学校の保護者アンケートは実際にどのような手順を踏んで提出するのでしょうか?
アンケートはどこで書くの?
お茶の水女子大学付属小学校のアンケートは、お茶の水女子大学の敷地内にある講堂で記載します。
指定の時間に講堂前に集合し順番に案内されます。グループ、抽選番号順に席が決められています。
アンケートはいつ書くの?
お茶の水女子大学付属小学校のアンケートを書くタイミングは、二次検定への参加手続きの後です。
手続きを終えると、そのままアンケートの時間に移行します。
アンケートを書く時間は何分?
お茶の水女子大学付属小学校のアンケートを書く時間は約30分前後です。
2020年以降、コロナ禍ということもあり記載時間が短くなりました。
終了時間前でも、書き終えた人から順に提出することができます。
アンケートのお題は事前に分かるの?
お茶の水女子大学付属小学校のアンケートのお題は事前には分かりませんし、その傾向も予測しづらいです。
アンケートのお題は、当日アンケート開始と同時に講堂の壇上に設置されたモニターに表示されます。
アンケートはどんなものに書くの?
お茶の水女子大学付属小学校のアンケートは、当日配られるA4サイズのアンケート用紙に直接記入します。
罫線のみがひかれていますが、最後まで書くと大体400文字程記入できそうな大きさです。
例年、400文字程度でと指示がありますが、枠内におさまっていれば文量はそこまで気にしなくても問題ありません。
ただ、親の資質や熱意をアピールするためには、誤字脱字に気を付けて枠内いっぱいまで記載したいですね。
アンケートのカンペは持って入れるの?
お茶の水女子大学付属小学校のアンケートを書く際に、「電子機器の持ちこみはNG」と連絡があります。
つまり、電子機器でなければ常識の範囲内で持ち込みをしても問題ないということです。
実際の会場では、持ち込み書類に付箋を張り付けたり、国語辞書を持ち込んでいる方を見かけました。
【お茶の水女子大学附属小学校】保護者アンケートが重要な理由
以上のように、お茶の水女子大学付属小学校のアンケートは「事前にテーマが分からず」「発表された直後に」「短時間で」「誤字脱字をせず丁寧に記載する」必要がある大変プレッシャーのかかるものです。
しかし、上手に活用できれば学校側にご家庭の価値観や想いを伝えられる大きな武器にもなります。
また、お茶の水女子大学付属小学校は入学後定期的に保護者向けのアンケートが実施されます。
教育実践校として、教育研究の為に保護者の感想や意見、子供の成長にどのように寄与したかの記録はかかせません。
お茶の水女子大学付属小学校合格を目指すのであれば、作文力はマストです。日頃から積極的に文章作成を行い、技術を磨くことが合格に繋がると意識して生活してみてはいかがでしょうか。