癇癪とは、大きな声を出し、泣きわめいたり、暴れる興奮状態のことをさします。


時には自分自身を傷つけたり、周りにいる人を傷つけてしまうこともあるため、

パパやママも冷静ではいられなくなるかもしれません。


しかし、癇癪を起すのには原因があるのです。むやみに止めようとすると、かえって逆効果になることもあります。


子供が癇癪をおこす原因や、どう対応していったら良いのか、見ていきましょう。

 

子供の癇癪の原因は親のせい?

 

子供の激しい癇癪を見ていると、
「母親の育て方が悪いのかしら・・?」
「愛情不足が原因?」
と不安になる方もいるでしょう。

 

癇癪は、子供の個性や性格によるものでもあり、大事な成長の一つとしても考えられています。


パパママは自分自身を責めたり、自身を無くす必要はありません。

しかし、ちょっとした子供とのかかわりや対応がきっかけに癇癪が始まることもあります。


パパ、ママ、それぞれ気にかけてあげたいポイントを注意してみましょう。


子供の癇癪の原因は母親にある場合

大好きなママにかまってほしい、こっちを向いてほしい、など注意を引きたいときに癇癪を起すことがあります。

  • 家事をしながら
  • 弟や妹のお世話をしながら
  • スマホを見ながら

の育児は自分自身だけに集中してくれないと、子供は不満を募らせていきます。


時にはママ一人を独占できる時間を作ってあげましょう。

 

子供の癇癪の原因は父親にある場合

 

普段お仕事で忙しいパパは、子供の思うことや、やりたいことがわからないときがあるでしょう。


子供は、自分の思い通りにならないときや、思いが伝わらない時、癇癪を起して自分自身を表現しようとすることがあります。


また、普段かかわりが少ない分、パパが思いっきり甘やかしてしまう、というご家庭もあるのではないでしょうか?


  • ママとのやり方が違う
  • いつも以上にやりたいことができたあと、やめられなくて癇癪を起こしてしまう

 

ということもあります。

パパと子供のコミュニケーションを大切にしながら、パパとママの子供に対する接し方なども普段から話ができると良いですね。

 

子供が癇癪を起こす本当の原因

 

癇癪にはさまざまな原因が考えられます。

未熟な子供は、自分の思いや気持ち、体調などを上手にコントロールできないし、それを伝えることが難しいのです。


眠い・空腹・寒い・暑いなどの生理的欲求や、遊びたい、欲しい、嫌だ、やりたくない、などの気持ちも、

言葉にして伝えられず、泣いたり暴れたりして表現するしかできないことがあるのです。

 

子供の表面の行動だけではなく、裏にこのような感情があることを理解してあげましょう。

 

子供がグズリ・癇癪への初期対応

 

子どもがグズった時には、抱っこをして背中をトントンと優しく叩きながら、何が嫌だったのか聞きます。

話せない場合には、思い当たることを質問してみます。

  • 「〇〇がいやだったの?」
  • 「〇〇がしたくなかったの?」 

そう質問していくと、首を振ったりなど、教えてくれるかと思います。

何がいやだったのか分かれば、こっちのもんです。

「そぅかぁ。

〇〇がしたくなかったんだね。

〇〇したくないの、お母さん(お父さん)もよく分かるよ。」

と言って、まずは気持ちを落ち着かせます。

気持ちが落ち着けば、また語りかけます。

「〇〇したくなかったのはよく分かるけど、今は〇〇をしなくてもいいのかな?

〇〇をしてくれたらお母さん(お父さん)は嬉しいな」

とやって欲しいことを伝えています。

 

 

子どもをグズらせない方法

例えば、公園で遊ぶ時には、約束事を伝えます。

「滑り台をあと1回滑ったら帰るよ。お約束できるかな?」と、しっかり目を見ながら伝えて、約束をさせます。

それでは帰らない時にはタイマーをセットし、「タイマーがピピっと鳴ったら帰る時間だよ。お約束だよ。」と目を見て伝えます。

「あと1回〇〇したら帰る」が効果的な子どもと、「タイマーが鳴ったら帰る」が効果的な子どもがいますので、

どちらが子どもにとって効果的なのかを試してみてください。

子供が癇癪を起した時にクールダウンさせる方法

 

まずは安全な場所に移動させて、危険な行為があればとめる

激しい癇癪を起した時、子供は自分自身で気持ちや行動をとめることができなくなることがあります。


興奮した状態だと周りのものや周りにいる人に攻撃的になることもあるでしょう。

 

子供自身も、暴れることでケガをする危険があります。


まずは人が少なく安全な場所に移動しましょう。


できれば、静かで刺激の少ない場所がいいでしょう。

無理に抱っこをしたり、過度なスキンシップをとったりすると、お互いにケガをすることもありますので、

危険な行為がないよう見守りながら、落ち着くのを待ちましょう。

 

そばで見守りながら、無理のないスキンシップを行う

 

言葉で伝えてもわからないし、手が付けられなくなっても、放っておくことはないようにしてください。


癇癪は、無視されたり、放置されたりすることで、さらにヒートアップすることがあります。


何もできなくても、そばにパパやママがいることで安心につながるので、子供が落ち着くのを待ちましょう。

ただし、かまうことが刺激になって悪化するときは、子供の様子を気にかけながら距離を置くのも一つの方法です。


落ち着いてきたら手を握ったり、背中をさすったり、少しずつ無理のないスキンシップをとって安心させてあげてください。

癇癪のタイミングやパターンを見ながら対応しましょう。

共感・うなずき・相槌

 

「嫌だったんだね」
「もっと遊びたかったんだね」
など、子供の気持ちに寄り添いながら、言葉を使って確認したり、子供の表情やしぐさを見ながら気持ちを受け止め
てあげてください。


うなずくことや、表情だけでも共感していることを子供に伝えましょう。

過度な言葉がけや、ご機嫌を取るような言葉は逆効果なので気を付けましょう。


落ち着いてから話を聞く。スキンシップも大切

 

落ち着くことで、子供は少しずつ周りの話を聞けるようになってきます。


自分の思いや感情を言葉に出せることもあるでしょう。

何が嫌だったのか、どうしたかったのか、など癇癪を起してしまった原因を聞いてあげましょう。


その際、責めるように質問したり、批判的な態度で聞くと、子供も思っていることを伝えられなくなります。

表情やスキンシップなど、子供の安心できる状態で、ゆっくりと話を聞きましょう。

子供が癇癪を起した時にしてはいけないこと

 

大きな声を出す・怒る

子供は、どうしていいかわからない、出来ない、と言ったときに癇癪を起こすことで気持ちを表現しようとしています。

大きい声を出して怒られたりするのは、表現の場を失う、ということになってしまいます。


怒られることで子供は、さらに大きな癇癪を起こしたり表現をあきらめてしまう、何も伝えられなくなってしまう、といったことにもつながります。

泣き止まなかったり、大きな声を出す激しい癇癪に、ついママも「うるさい!いい加減にして!」とイライラを爆発させたくなる気持ちもよくわかりますが、ここはグッと堪えて子供が落ち着くまで待ちましょう。

 

ものを与える

 

癇癪をおこしたときに、その場を収めようとものを与えるのはやめましょう。

「大きな声を出して泣くことで、ものをもらえる」と子供は勘違いをしてしまいます。

泣き止ませたり、落ち着かせるのに一時的には効果があるかもしれませんが、長期的に見て長引いたり、より癇癪を悪化させてしまう可能性があります。

ものを奪う・取り上げる

 

  • ご飯の時間なのにおもちゃをおしまいにできない
  • 帰る時間なのに片付けができない

こんな状況、ありますよね。
そんな時、無理やりおもちゃを取り上げてしまっていませんか?

子供は遊びたいのに遊べなくて泣いて、さらにおもちゃまで取り上げられたら、

泣き止むどころかさらにヒートアップするでしょう。

 

泣き止み落ち着くのを待ってから、きちんと話をして手放すようにしましょう。


手元から大切なものを渡す、という行為は同じように見えますが、

無理やり取り上げることと話をしてから手放すことは意味合いが違ってきます。

 

ルールや約束がわかる年齢になってきたならば、初めに終わる時間や約束を決めて、

少しずつ“おしまい”ができるようにしていきましょう。

 

周りが動揺し、パニックになる

 

子供は不安や不快な気持ちを表す手段として、癇癪を起こしてしまうのです。


そんな時にパパやママが同じように不安になったり動揺する姿を見たら子供もますます不安になってしまいますよね。


周囲の視線も気になりますが、共感や受け止める気持ちは持ち、焦らず毅然とした態度で子供に接しましょう。

子供の癇癪にイライラした時の対処法

 

まずは子供と離れて深呼吸

子供を安全な場所に移動した後、少し距離を置いて深呼吸しましょう。

泣いている子どもの声を聞くのがつらい時は物理的に離れることで、少し気分が落ち着きます。


パパなど、ほかに家族がいるときは、バトンタッチしてみてもいいでしょう。


子供も、関わる人が変わることで切り替わることもあります。

ママ一人、パパ一人で頑張る必要はありません。


感情的になってしまう前に、深呼吸、してみてください。

 

家族・友達・先生に話を聞いてもらう

 

癇癪が頻繁に起きると、どこへ行くのも、何をするにも、憂鬱になってしまいますよね。

家族はもちろん、幼稚園・保育園の先生、ママ友に話を聞いてもらいましょう。

先生はいろいろな子供の姿をみています。対処法も子供によって違ってくるので、

アドバイスをもらってみても良いですね。


幼稚園や保育園での子供の姿も良く知っているはずなので、家庭以外の場所ではどのように対応しているか、

また、癇癪を起こさないようにどんなかかわり方をしているかを聞き、家庭でも取り入れてみましょう。

癇癪で悩んでいるママはたくさんいます。


ママ同士で悩みを打ち明けたり、別の家庭での対応の仕方なども参考にして、一人で悩まないようにしてくださいね。


子供の成長を振り返る

赤ちゃんの頃と、幼稚園・保育園ではできるようになったこと、成長したことが多くあるでしょう。


他の子供と比べたり、癇癪を起すことばかりに目を向けず、小さなことでもできるようになったことを見つけましょう。


少し我慢できるようになった、癇癪が落ち着くまでの時間が少し短くなった、など、少しずつでも子供は成長していっています。


癇癪を起こすのは、自我が芽生えて成長の証!ととらえてみましょう。

好きなことをする

 

ママだって、やりたいこと、を我慢する必要はありません。


子供だって、いつでも癇癪を起こしているわけではないですよね。


ご機嫌で遊びに夢中になっていたり、ぐっすりお昼寝をしているときもあるでしょう。

そんなときは、ゆっくりお茶を飲みながら好きな本を読んだり、音楽を聴いたり、ママの時間に使いましょう。

イライラするのも、不安になったり悩んだりするのも、子供のことを考えてのことです。


イライラすることは悪いものだと思わず、イライラしてしまうときと、ママ自身が好きなことをするときと、切り替えていきましょう。

 

子供の癇癪に疲れた時の対処法

 

ママを休む!

 

幼稚園・保育園だけでなく、地域によってさまざまな子育を支援するサービスがあります。


お仕事だけでなく、リフレッシュとしても使える一時預かりなども有効活用し、ママもリフレッシュしましょう。

家族の手助けはもちろん、地域の力も借りて、たまにはママも休みましょう。


思いっきり笑う!

ママの表情が硬いと子供に伝染します。


ストレスや疲れがたまると、自然に笑えないですよね。


そんな時には、意識的にでも笑ってみましょう!

お笑い番組も良いですが、子供と一緒に面白いことをしたり、楽しいものを見て、一緒に笑ってみましょう。


子育てに関するインスタグラムやツイッターも、思わず笑ってしまうものもたくさんあります。

思いっきり笑って気分を切り替えると、子供に対する表情や気持ちも自然と変わってきます。

 

思いっきり泣く!

 

思いっきり泣いて涙を流すことはストレス解消につながるといわれています。


涙を流すと、心地よい疲労感や、安心感、リラックス感を得られますよね。

泣ける映画やアニメを見たり、小説を読んだりして、デトックスの涙を流しましょう!

 

体を動かす!

 

適度に体を動かすことは、ストレス解消にも役立ちます。

子どもと一緒に遊んで体を動かすのも良いですが、ママ一人の時間に音楽を聴きながら散歩をしたり、

動画を見て体を動かすのも良いでしょう。

 

ストレス解消に、定期的な運動を取り入れてリフレッシュしましょう!

 

ママ自身を大事にしよう!

 

怒ってしまったり、上手く子供に対応できなかった時、自分を責めてしまっていませんか?

ストレスが溜まってイライラしてしまうことは悪いことではありません。


できない自分自身を責めてイライラをため込むことは、結果的に子供にイライラをぶつけてしまうことにもなりかねません。

イライラしてしまう自分自身をごまかさずに受け止めましょう!
完璧なママなんていません。


子供のママは、ママだけなのです。

まずは自分自身を大切にして、子供に接しましょう。

まとめ

 

いつ起こるのか、どこで起こるのか、子供の癇癪はいつ起こるかわかりません。


しかし、癇癪を起こしてしまう子供の気持ちを考えると、事前の声掛けや、子供のコンディションを整えることなど、

あらかじめ対応できることはあります。


全てを押さえることは難しいですが、子供の癇癪が起きてしまうタイミングをパパママと共有しあえたら良いですね。

子供の癇癪が続くと、パパもママもストレスが溜まるでしょう。


家族での協力はもちろん、様々なサービスを利用してみましょう。


泣いたり、笑ったり、手軽に始められるストレス解消法で少しずつストレスを発散しながら、

癇癪にも対応できるパパママ自身も大切にする時間を作りましょう。

 
英才教育保育士

子育て相談・幼児教育コンサルも受け付けています。
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